こんにちは☺ いつも子どものみかたブログをお読みいただき、誠にありがとうございます!
今回は、久しぶりにお勧めの映画を取り上げたいと思います☺
その映画は隣人X 疑惑の彼女です!!
この映画をなぜ取り上げたかというと、子どもを支援する上で、とても示唆するものが多いような内容に感じられたからです。
それではこの映画の内容を簡単にお話いたします!
(ジャンルとしては、サスペンス、推理、SF、ホラー、恋愛、社会というような、幅広い内容になっています。)
物語
ざっくりと物語を私なりにお話いたしますと、
社会派の新聞記者を目指す、主人公の笹。
でも今は、雑誌社でラーメン記事担当をしている、うだつの上がらない契約記者だった。
いつ首を切られてもおかしくない、窮地に立っていた笹は、
惑星の紛争により地球に逃れてきた、地球外生命体Xをアメリカに続き、日本でも受け入れることになったことをきっかけに、国内にいるXを調査する役割りを任される。
Xは、見た目には人間と変わらず、人間に危害を加えることなく生活しているという、、
そこで調査会社に依頼し、Xの可能性がある2人の女性を調査することに。
1人は、台湾からの留学生林(リン)で、もう1人は林と共にコンビニでアルバイトをしている柏木良子だった。
2人を調査する笹。
会社からは柏木良子に近づくように言われ、宝くじ売り場でダブルワークをしていた良子に近づき、付き合うことになる笹。
そんなある日、笹は男に襲われる夢を見る。
その男は、何と良子の父親だった。
良子の父親がXに違いないと確信をした笹は、良子に父親に会いたいと頼み込む。
最初は拒否をしていた良子だったが、介護施設で過ごしている笹の祖母と会ったのをきっかけに、父親と会うことを受け入れる。
会社から、Xと接触出来たらのDNA鑑定をするように言われていた笹は、良子の父親の髪の毛を手に入れる。
良子の実家で両親と会い、食事をしていた最中だったが、髪の毛を手に入れたことで、笹は急遽雑誌社に戻ることに。
笹の取材から、良子の父親はXだったことを雑誌にに掲載し、世間は大騒動に、、
というようなお話です。
物語の中で、いくつかの謎と作者からのメッセージが現れている部分がありますので、検証してみたいと思います。
(ここからはさらにネタバレを含みますので、ご注意を!)
告知
〈子どもが困らないための保育集 投稿サイトここま〉
タイトルからの推測
ミステリーが含まれる場合は、そのタイトルに謎解きのきっかけや作者からの重要なメッセージが含まれていることがあります。
この映画のタイトルは、
隣人X 疑惑の彼女
となっていますね。
隣人Xということは、あなたの隣に住む人がXかもしれませんよ!という意味と考えられます。
あなたの隣にはXのような得体のしれない人が住んでいるかもしれません、だから注意してくださいね!というような?!
でも、これは実はフェイクと言いますか、本当のメッセージというよりは、この映画の謎や興味を深めるための導入に過ぎないように思えます。
そして、疑惑の彼女ですが、
これはそのまま2人の彼女がXである可能性を示唆しています。
タイトルからの検証はこれくらいにして、次にそもそもXとは何なのかを考えたいと思います。
Xとは何か
Xとは何かですが、物語で出てくる説明だけを拾うと、
まず、テレビニュースや過去にスクープ記事を書いた記者の説明では、
自分がXだとわかったスミス氏はテレビで
と話しています。
また雑誌記事では、
先輩記者の話では、
とも言われていました。
そして重要なのが、
これらの事を踏まえて、物語の謎の部分を検証してみたいと思います。
作者からのメッセージ
謎の部分の検証の前に、原作のパリュスあや子さん、監督脚本の熊澤尚人さんからのメッセージを私なりに考えたいと思います。
私はこの映画は、人権について描いた作品だと感じました。
『人権侵害の悪』を様々な形で表現していて、人権侵害をしないためには何が必要なのかを丁寧に伝えようとした作品ではないでしょうか。
映画の中では、様々に人を思い遣る心が描かれています。
父や母がひそかに娘を想う気持ちや彼氏が彼女を、また彼女が彼氏を想う気持ち、友達を想う気持ちなど、目には見えない心が描かれています。
それは押し付けではない、本当の心です。
昨年の2023年末に公開された作品ですので、比較的新しく、今の世の中の問題を現そうとしたのでしょうね。
ということは、今のこの国の社会状況は差別や人権侵害に満ちていて、とても深刻な状況だと考えられます。
映画では、笹が記者として成長しようとする中で、人間として成長していく姿が描かれています。記者として何が大切なのか、お金なのか、真実なのか、社会貢献なのか葛藤が描かれ、最後に記者である前に、人間として大切にしないといけないことにたどり着きます。
直接的なセリフでは、良子とその両親のセリフに強い想いが込められていました。
(良子)
良子の両親のセリフについては、映画で確認して頂くとしまして、
映画の様々な謎について検証してみましょう!
謎の検証
この映画にはたくさんの謎がありますが、1つ1つ検証していきましょう。
『謎』その1 冒頭の黒い影
冒頭で笹が黒い影に襲われます。夢だったわけですが、この時点では笹はまだXを調査することにもなっていませんし、この後、笹は良子を傷つけることになりますので、Xにもなっていないと考えらえられます。
なので、この国でもXを受け入れるとニュースで流れ、得体のしれないものに対する不安や恐怖が、安全かどうか疑いを持つ笹の夢の中に、あのような形で現れたと考えられます。
その後、良子と付き合うことになった笹は、このような感じ方をしてしまうことを良子に諫められることになります。
『謎』その2 黒い影再び
祖母と良子を介護施設で合わせた笹は、その後また黒い影に襲われます。その際にはスキャンされ、トレースされていました。この影は、良子の父だったのではないかと考えられます。なぜそれがわかるのかは、後々に判明いたします。しかし、その後良子を傷つけることになるので、この時点では笹は感染はしていません。
『謎』その3 父との対面
笹が良子の父にあった時に、握手をします。その時にトレースされたような感じになっていました。スキャン、トレースは一度キリというルールなのに、なぜなのでしょうか?良子の父に擬態してどこかに住んでいるXと良子の実家に居るXと2人居るということでしょうか?
『謎』その4 林の逮捕
林が麻薬売買の疑いで逮捕されます。そのニュース自体を同居人と林が見ていました。これはなぜなのでしょうか。会話から、同じアパートの階上の住人とわかります。Xの条件として、人間の姿に擬態化出来るとあります。なので、逮捕されたのは林に擬態化したXと考えられます。しかし、同一人物とは気付いていないようです。それは謎として残りました。もしかしたら、意外とXの感染が広がっていて、林の周囲にいる人は洗脳されていたのかも?!
『謎』その5 電波塔の謎
良子の父がXであるという雑誌の報道により、世間は大変な騒ぎになり、良子が家に引きこもっていた頃、ふと窓から電波塔を見ます。その後、林も電波塔を見て、良子を心配するラインを送っています。このことで、この時点で双方がXであることを自覚したと思われます。
『謎』その6 両親の謎
良子の父は会見で『Xではありません。日本人は誰もがXでないと証明出来る人は居ないのです』と訴えます。そして、母も『暴力をふるう男が居て、妊娠して困ったんです!彼は子どもを自分の子どもにして、命がけで幸せにしてくれた。Xでも血が繋がっていなくても関係ない。彼が何であってもいいんです!』とマスコミに訴えます。
これをみると、良子の父は、Xだという自覚は無いようです。しかし、自分自身に疑いは持っているという状況のようです。ですので、笹の前に現れるXは、擬態したXで、実家に居るのは感染したXということになります。そして、母ですが後にも触れますが、良子がXである父から生まれた子どもだとしたら、良子もXのはずです。自覚の有無にかかわらず。ですので、もし良子がXだとしたら、母は嘘をついていることになります。なぜこのような嘘をついたのか。それは子どもを守るためだと考えられます。良子がもしXだとレッテルを張られてしまったら、人生においてずっとそれが付きまとい、人生を台無しにされてしまいますので、それを回避したかったということでしょう。
『謎』その7 DNA鑑定の謎
先輩新聞記者の月村は、DNA鑑定をしませんでした。それはなぜなのでしょうか?
考えられる理由としましては、
・単に面倒だから
・お金がかかるから
・すでに雑誌が売れて必要性が無くなったから
・DNA鑑定をしたが、結果を隠したかったから
・DNA鑑定をすると、不都合だから
のような感じでしょうか。
作者が物語を考える際には、必ず何かしらの意図を含ませるようにします。
あえて、DNA鑑定はしなかったと入れたのは、何かしらの意図があるからと考えるのが自然ではないでしょうか。
『DNA鑑定をした結果、Xでした』としても、良かったのに。
ですので、私の妄想になりますが、最後の2つが私の推測になります。
ということは、月村もXだったのではないかと私は思っています。
月村と良子の父の擬態のXが交信なりをして、笹と良子の父が会えるように画策をしたのではないでしょうか。
『謎』その8 黒い影再び2
良子と会わなくなっていた笹は、またまた黒影のXに襲われます。その際に良子の父のXは『君はXではないのか。私は心から悲しく思っている。Xは人間を傷つけてはいけない。たとえ人間と同化しても、人間を傷つけない本能を持ち続ける。もし、君が人間なら、人間を傷つけたら、君は痛みを感じるはず。』と伝えます。
黒影のXは、笹をXと思っていたようです。Xなので、娘を傷つけることはないだろうと。でも実際は傷つけた。なので笹は人間なのだと気づいたようです。良子を傷つけた笹は、自分でも自責の念から、傷ついていました。なので、この時点まで笹は人間だったと思われますが、3点模様が現れたこれ以降にXになったようです。
『謎』その9 林の彼氏の謎
林の彼氏はXなのかということですが、最後に3点模様が映し出されていました。なので、その時点ではXと考えられます。その時林は、3点模様はありませんでした。これはなぜなのでしょうか。林は以前に飲み会で紹介され、上手く話せずに傷ついてしまいます。彼氏に傷つけられたと感じた林は『あなたに私の気持ちはわからない』『死にたくなる。私居ないのと同じ。あなたと会うやめる』と伝えます。この時点では、林を傷つけたので、彼氏はXではなかったと考えられますが、最後に連絡なしで突然やってきた林を部屋に受け入れます。傷つけない人間になったということで、林の彼氏は逆にXになったということなのでしょうか。林も人間から傷つけられたり、良子や彼氏の優しさに触れる中で、人間になったということなのかもしれません。
これらをまとめますと、Xに一度感染しても、人間から酷く傷つけられ、その後優しさや思いやりに触れることで、Xは去っていくようです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
謎をあれこれ考えている中で、私はあるちょっとした違和感を感じたのですが、
人は何かの色眼鏡を通して見るのではなく、良子のセリフのように内面を感じて、この人は人間らしいとか、人間らしくないとか、そういうことじゃないのかなって。
それがこの作品の一番のテーマなのかもしれないなって。
作者の方は、あえてこの人はXなのかそうじゃないのか?!という仕掛けをたくさん作ることで、人の内面に意識が向かうようにされたのかもしれません。
映画では、報道による被害者とも言える良子の両親の訴えにより、世間が変わり、報道の方針までも変えてしまう空気が作られました。
このことは、現実とは少し違いますよね。。
そんな社会で良いのかと。
今一度、考えて欲しかったのではないでしょうか。
作品では、Xによる感染が広がり、人を傷つけない社会に向かったのかもしれませんね、、
たくさんの子どもの支援者に見て頂きたい!、とても素敵な映画でした。
最後まで【子どもの支援者にお勧めの映画】隣人X 疑惑の彼女の謎とメッセージとは?!をお読みいただき、誠にありがとうございました。
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