保育士のために

【保育のねらい(基本的信頼感)】京都アニメーション放火犯人の背景から、大人として必要なことを考える

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保育士のために

こんにちは。いつも子どものみかたブログをお読みいただき、誠にありがとうございます。

 

今回は、36人もの貴い命が奪われ、戦後最悪レベルの放火事件になった、2019年の『京都アニメーション放火殺人事件』を取り上げたいと思います。

私は凶悪犯罪が起きるたびにその背景を考え、分析し、今後の社会を良くすることに活かす責任が、残された人間にはあると思っています。

犯罪によっては、国の制度や方針などをすぐに変えた方がいい場合もあるでしょう。

(ご遺族の方々には、心よりお悔やみ申し上げます。

言葉で言うのは簡単ですが、かけがえのない大切な人を失い、一生癒えないほどの傷を負われたことと存じます。そして、事件を振り返ることは、大変お辛いことではないでしょうか。ですので、以下の記事は読まれない方がよろしいかもしれません。)

 

もちろんそのための裁判であるのでしょうが、繰り返されるたびに本当に『活かされている?!』と感じることも、しばしばあります。

 

それでは、今回の史上最悪とも思える放火事件の背景を詳しく見ていきましょう。

 

犯人の背景

被告の(青葉真司45歳)が犯行に至った過程を幼少期から、順に確認したいと思います。

 

【幼少期】

被告は1978年、青葉被告は埼玉県浦和市で生まれ、両親と2つ上の兄、1つ下の妹と5人で暮らしていた。幼少期の青葉被告について母は「かわいらしくて元気で活発。手のかかる子どもではなかった」と語る。

生活が一変したのは、小学3年生の頃。母が仕事をはじめると、父が、「浮気をしているのではないか」と勘繰るようになった。次第に父は母に暴力をふるうようになるなど、関係が悪化し両親は離婚した。  子ども3人は、父に引き取られ“厳しいしつけ”が始まる。

被告「長時間正座をさせられたり、ほうきの柄でさんざん叩かれたりしていました」  夜はいくら眠くても寝かせてもらえず、冬には外で裸で立たされ、水を掛けられることもあった。妹も虐待を受けていた事実を知った青葉被告は憤慨し、兄とともに父を問い詰めるなど、正義感の強い一面ものぞかせた。

【中学高校時代】

中学生になり体格が父に勝るようになると、父からの暴力はなくなった。しかし、当時打ち込んでいた柔道の大会で準優勝した時に、記念の盾を燃やさせられるなど、「父からの理不尽な支配」を感じていたと語る。  父は、青葉被告が中学1年生の時に無職となり、家庭は貧困に陥る。アパートの家賃すら払えなくなり、引っ越しを余儀なくされ、青葉被告は、転校先の学校で周りに馴染めず不登校になった。

父からの虐待に悩まされた10代だったが、定時制高校に進んだ青葉被告は、真面目に勉学に取り組み、皆勤で卒業した。 弁護人 「中学生の時は不登校の時もありましたが、なぜ頑張れたのですか」 青葉被告 「真面目にやる人がクラスに10人ほどしかいなかったんですよね。要するに先生を1人占めにできるんです。家庭教師みたいに何でも質問できる」  アルバイトで貯めたお金で、楽器やバイクを買い、学校では一緒にゲーム楽しむ友人ができた。  人間関係に恵まれ、青葉被告の人生の中では、“最も充実した時期”だった。

【専門学校時代】

定時制高校を卒業後、青葉被告は東京にある音楽の専門学校に入学したが、わずか半年足らずで退学している。 弁護側 「どうして専門学校を辞めたのですか」 青葉被告 「先生は教えてほしいことを『まだ早い』と言って教えてくれなかったんです」  定時制高校では、質問をすれば丁寧に教えてくれる先生がいたが、専門学校では先生が質問に答えてくれないことに嫌悪感を示す。  退学後は8年間、コンビニでのバイトを転々としたが、青葉被告いわく職場の同僚に裏切られ、仕事をしない店長に手を焼き、「とにかく全部嫌になった」と、一度目の犯罪を起こす。窃盗と暴行の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた。

【社会人とその後】

出所後、派遣社員として工場を転々とするも、その後無職となった。 弁護側 「仕事を辞めた理由を教えてください」 被告 「派遣切りがくるのが分かっていたからです」 弁護側 「どうしてわかったのですか」 被告 「主に4つほど理由があります。1つ目はリーマンショックが来ると分かっていたからです」

このほか、日本が発行した40兆円の国債の返済期限が迫っていることから、経済が危機的状態にあると思ったからなどと説明した。  当時の与謝野経済財政相に財政破綻を回避するよう進言するメールを送った結果、日本は財政破綻を免れたなどと、独自の論を展開していく。 質問に対し、饒舌に、時には身振り手振りを加えて熱のこもった話し方をしていた。

社会から孤立を深めていった被告は、インターネットの世界にのめり込んでいた。 被告 「私は2ちゃんねるで荒らしをしていて有名だったが、一度管理人に直々に怒られたことがあります」  社会の中で孤立を深めた青葉被告は、10年にわたって、インターネットの掲示板に書き込みを続けていたという。インターネットや掲示板について語る被告は、どこか得意げな様子が感じられた。  そして同じ時期、京アニのアニメを初めて見て感銘を受け、小説家を志すようになる。 被告 「実力さえあれば暮らしている何か、小説に全力を込めれば暮らしていけるのではと思いました」  被告の話では、インターネットの掲示板で、京アニの女性監督と出会い、掲示板でのやり取りを重ねるうちに恋愛感情を抱くようになった。

一方で、自分が書いた小説が、まだ公表していないにも関わらず、何らかの形で情報が抜き取られ、「パクられた」とも語った。 しかし、女性監督に過去の犯罪歴を指摘されるなど、「裏切られた」と話す。やがて自暴自棄に陥り小説を書くのを辞めてしまうと、刑務所に入るためコンビニ強盗を実行。懲役3年6月の実刑判決を言い渡された。

刑務所で服役中、妄想現実の境目が失われていく。  警察の上層部とも繋がる「ナンバー2」と呼ばれる闇の人物が、四六時中、自分を監視、刑務所と手を組んで自分に嫌がらせをしてきたと語った。例えば、女性監督との関係を忘れさせないため、女性監督の苗字や「結婚」という言葉を、テレビ番組やCMなどを通じて伝えてきたと話した。 被告は刑務所の医師から統合失調症との診断を受けている。  出所後は、半年ほど、埼玉県内の更生保護施設に入所。その後、再び、小説を書き始めた。  2017年には、短編と長編の2本を京アニ主催の賞に応募した。理由については、「(女性監督に)託すつもりだった」などと話している。しかし、結果は落選。裏切られたと感じ、恨みを募らせていく。

被告 「作品を落選させておきながら、(京アニの女性監督が)ブログで自分の作品を公開していました。なんで落選させておきながら使うのかと。裏切られた気分でした」  掲示板に自分の作品を投稿するも、誰にも見てもらえず…同じ時期、自宅アパートでは、騒音に悩まされていたという。 被告 「室外機の音がうるさく、それでも(アパートの)上の階の人がエアコンを付けて寝られず、良いこと何も続かず、人に会うのも嫌になって会わなくなりました」  昼夜逆転し、「堕落した生活に陥った」と話した。

人生が思い通りにいかない中、京アニが世間で評価されていく状況を目の当たりにし、不満が高まる。  事件の1か月前には、包丁6本を購入し、埼玉県の大宮駅で無差別殺人を企てていた。 被告 「作品をパクった対象が、そこまでの事件を起こしたとなれば、パクったりしたこと自体が害になったということを伝えられるのではないかと思った」  そして、2019年7月18日。36人が犠牲となる凶行へ…

犯行に及んだ理由については、「闇の人物」の名を再び上げ、小説を落選させたのも盗作したのもすべて闇の人物が京アニに指示したためだと確信していたと話す。嫌がらせから逃れるため「闇の人物に対して、こういうレベルのこと(京アニへの放火事件)を起こして(自分を)狙うのをやめてほしいというメッセージ」を伝えるほかなかったと説明している。

(参照:公判の様子記事→リンク

 

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犯行に至るのを防ぐために、周囲が出来たと思われること

犯人が犯行に至るまでの経緯を見ると、徐々に精神が崩壊してく様子がうかがえます。

その過程で、私は鍵になるポイントがいくつかあると感じました。

それをあらためて考えてみたいと思います。

 

小学校になって両親が離婚をし、父親が引き取り『叩かれたり、冬には外で裸で立たされ、水を掛けられた』と言っています。

これが事実なら、地域行政は保護をすることが出来なかったのでしょうか?!

1978年埼玉県浦和市生まれとありますが、もし引っ越しをしていないなら、住んでいる浦和市の対応が気になります。ご近所づきあいもどうだったのか、誰かが把握できる状況だったのか、振り返る必要があるでしょうし、小学校3年生というと9歳ですので、1987年辺りの児童相談所含めて虐待対応が行き届いていたのか、また現在は改善されているのか、調査する必要があると思います。

「児童虐待の防止等に関する法律」(通称 児童虐待防止法)は2000年11月に施行されました。 もともと日本には、子どもの福祉を守る法律として「児童福祉法」がありましたが、主に幼い子供を働かせて稼ぐことを防止したもので、当時は虐待を想定していなかったことがあり、当時の法律では保護が難しかった可能性があります。

おそらく、記事からの情報だけですが、母親はごく普通の親のように思えますので、母親が引き取ることが出来なかったのかも気になります。父親が暴力を働いていたということですので、今なら父親をDVの疑いで捜査する必要があったと思われますが、当時はまだ民事不介入事案だったのかもしれません。母親は別れてからは父親が怖くて子どもに近づけなかった可能性がありますし、子どもから母親へ連絡を取ることも禁じていたのかもしれません。

DV法(配偶者暴力防止法)は、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備し、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、平成13(2001)年、議員立法により成立した法律です。

犯人は、まだ社会が未成熟だったため、必要な支援を受けられなかった不利益を被った可能性があり、とても悔やまれます。

私はこの犯人の背景を見て、この事件の一番の原因はDV含む、幼少期の虐待にあると考えていますが、支援が行き届かなかったことは残念としか言いようがありません。(親同士のDVを見せることも、虐待になる可能性があります。)

中学の時に貧困になり、引っ越しをして不登校になるとありますが、このこと自体は今でもあまり珍しくはないケースではないでしょうか。今なら、家庭状況を引き継ぎ、児相や福祉が把握をして、施設措置含めて継続的に家庭をサポートする必要があると思われますが、当時はどうだったのでしょうか?ここでも学校や行政の対応が気になります。被虐待ケースとして、他に出来ることは無かったのでしょうか。

定時制高校時代は、とても充実しています。この高校時代に私は被告の闇を感じるのですが、もし普通校に進学していたら、なじめず不登校になり、この時点で違う問題が現れていたのかもしれません。皆勤になるほど、まじめに学校に通った理由を先生を独占出来たことを挙げていますが、ここに被告が基本的信頼感が定着していない姿が現れています。

 

自分はこの世に存在していいんだという、自分の事を無条件に周囲が受け入れてくれているという、ベースの無さが感じられます。

 

基本的信頼感とは、、自分を育てる親及び養育者への、人格的な信頼感を通して、自分がこの世に存在する事を肯定的にとらえ、自分の人生には生きる意味があるということ、生存する価値があるということ、世界を信頼するという感覚を持ちます。生後一年の経験から獲得される自己自身と世界に対する 一つの態度であり、他者に関しては筋の通った信頼, 自己に関しては信頼に値するという単純な感覚 を意味します。

 

おそらく、先生との間に信頼関係が生まれ、それを支えにすることで、意欲や社会性にまで良い影響があったのでしょう。しかし、その後のベースになるまでは築かれず、やがて崩壊してしまいます。ここで気になるのは、定時制と言えども卒業後のケアも継続的に出来た方が良かったように感じます。子どもは高校を卒業したからといって、即社会人になれるわけではありません。まだ、少しずつ慣らしが必要な子どももいます。虐待のような課題を抱えている子どもならなおさらでしょう。このことは、児童養護施設を卒所した子どもたちにも同じことが言えます。

ある研究では、良い学校を卒業することよりも、良い先生と出会うことの方が子どもの将来を左右するという結果があるそうなので、それが裏付けられるような定時制高校時代の被告の姿です。

専門学校に入りますが、ここでは先生と上手く信頼関係を築けず、退学してしまいます。その前に、専門学校に入るお金は、どのように用意されたのか気になります。高校時代にバイクを買ったりしていますので、自分で貯めたのでしょうか。そう考えると、元々はまじめに働いてお金を貯めることが出来る生活力があったように思われます。ですが、ここで信頼したかった先生に裏切られた感覚を持ったのは、大きな転機になったようです。高校時代の先生とのギャップも大きかったのかもしれません。

でも、ここで専門学校の先生を責めることはあまり出来ないのかもしれません。高校時代よりも、多くの生徒を一度に見ていた可能性もありますし、先生には先生なりの考え方や意図があり、それを上手く被告に伝えられなかった可能性もあります。自分の想い通りに進めてくれないと不満という、とても危うい状況に被告はありましたので、やはりベースの部分が築かれていない課題が解消されていなかったと考えられます。まだ『他人を受けれるより、まずは自分!』という段階です。発達的にいうと、2歳児までの社会性でしょうか。問題は、そのような背景を引き継ぎ、専門学校が情報として持っていたのかどうか、必要で最低限の合理的な配慮があったのかという点ではないでしょうか。

ここでありそうな意見ですが、『そのような先生はいくらでも居る!なのに自暴自棄のような行動に出るのはおかしい!!』ということですが、そもそも被告はベースが築かれていないので、それには当てはまらないと思われます。また、同じような境遇に育っても、そうはならない人も居ると言う方もよく見かけますが、それも元々の持って生まれた素質が個々に違う可能性があり、子どもの素質に頼ると、いつまでも必要な支援を受けられない子どもが居ることになりますので、それも当てはまらないのかなと私は思います。ただ、中学、高校からの引継ぎが専門学校にもされていたなら、何かしらの配慮は可能だったのかもしれません。

その後、窃盗と暴行を犯し、服役します。ここで、被告の背景などを理解した大人が新たに複数居ることになったはずなのですが、どうでしょうか?!刑務所で出会った刑務官などの人との信頼関係は築かれなかったのか、出所後の社会適応などのためのサポートは無かったのでしょうか。刑務所での生活がきっかけとなり、元々の課題と相まって、妄想や想像の世界と現実の世界との境界が曖昧になっていった可能性もあります。そういう話を聞いた人も居たはずで、被告が抱えているリスクを把握できる立場の人は居なかったのかなと思いますが、どうなのでしょうか。

 

出所後は、派遣社員として工場を転々とするも、その後無職となり、「仕事を辞めた理由を教えてください」 と聞くと「派遣切りがくるのが分かっていたからです」 と答え、さらに「どうしてわかったのですか」 と聞くと「主に4つほど理由があります。1つ目はリーマンショックが来ると分かっていたからです」と答えています。このほか、日本が発行した40兆円の国債の返済期限が迫っていることから、経済が危機的状態にあると思ったからなどと説明しています。当時の与謝野経済財政相に財政破綻を回避するよう進言するメールを送った結果、日本は財政破綻を免れたなどと、独自の論を展開していきました。

これらの話から、この時点ですでにかなりリスクのある精神状態に思えます。おそらくですが、軽度か重度かはわかりませんが、何かしらの医療的支援が必要な状況にあったと考えられるのではないでしょうか。

さらに、

社会から孤立を深めていった被告は、インターネットの世界にのめり込んでいきました。被告 「私は2ちゃんねるで荒らしをしていて有名だったが、一度管理人に直々に怒られたことがあります」 と話し、10年にわたって、インターネットの掲示板に書き込みを続けていたということです。そして同じ時期、京アニのアニメを初めて見て感銘を受け、小説家を志すようになります。被告 「実力さえあれば暮らしている何か、小説に全力を込めれば暮らしていけるのではと思いました」 被告の話では、インターネットの掲示板で、京アニの女性監督と出会い、掲示板でのやり取りを重ねるうちに恋愛感情を抱くようになっていきます。

この辺りは、よくある若者という姿に見えます。さらに、

一方で、自分が書いた小説が、まだ公表していないにも関わらず、何らかの形で情報が抜き取られ、「パクられた」とも語っています。しかし、女性監督に過去の犯罪歴を指摘されるなど、「裏切られた」とも話しています。やがて自暴自棄に陥り小説を書くのを辞めてしまうと、刑務所に入るためコンビニ強盗を実行。懲役3年6月の実刑判決を言い渡されました。

刑務所で服役中、妄想現実の境目が失われていきます。警察の上層部とも繋がる「ナンバー2」と呼ばれる闇の人物が、四六時中、自分を監視、刑務所と手を組んで自分に嫌がらせをしてきたと語っています。例えば、女性監督との関係を忘れさせないため、女性監督の苗字や「結婚」という言葉を、テレビ番組やCMなどを通じて伝えてきたと話しています。被告は刑務所の医師から統合失調症との診断を受けていて、出所後は、半年ほど、埼玉県内の更生保護施設に入所し、その後、再び、小説を書き始めました。2017年には、短編と長編の2本を京アニ主催の賞に応募しています。理由については、「(女性監督に)託すつもりだった」などと話しています。しかし、結果は落選。裏切られたと感じ、恨みを募らせていきます。

やはり、収監されるたびに、状態が悪化しているように見えます。刑務所での生活が、被告が持つ資質に特に合わなかったのではないでしょうか。当然、虐待の影響から、環境適応能力が低下していた可能性もあります。出所後、更生保護施設に入所し、安定したのでしょうね。また、作品を書く意欲が出てきます。ここでも、更生施設入所期間は正しかったのかという疑問と、退所後の適切なフォローはあったのでしょうか。それもとても気になります。落ち込んだ時、適切なフォローやサポートがあったのか無かったのか。被虐待ケースであり、統合失調症という診断が下りている以上、継続的なサポートは必須な状態だったと考えられます。

ここで統合失調症について、確認をしておきますと、

現実とのつながりの喪失(精神病症状)、幻覚(通常は幻聴)、妄想(誤った強い思い込み)、異常な思考や行動、感情表現の減少、意欲の低下、精神機能(認知機能)の低下、日常生活(仕事、対人関係、身の回りの管理など)の問題を特徴とする精神障害です。健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状があります。 陽性症状の典型は、幻覚と妄想です。 幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴が多くみられます。 陰性症状は、意欲の低下、感情表現が少なくなるなどがあります。
統合失調症の患者の会話の特徴
  • 聞いたことに対して明らかに誤った解釈を行う
  • 話に一貫性がない
  • 会話のテンポが悪い
  • 何もないのにニヤニヤ笑う
  • ひどい独り言がある
  • 目的に適していない行動を取る
  • 情緒が不安定

状態が悪化傾向にある時期は、生活リズムが乱れ、食欲や集中力が低下し、ふいに不安や焦燥感を見せることもしばしばです。 不穏もそのひとつで、外に出ること、人と会うことが億劫になることもあります。

また、被告 は「作品を落選させておきながら、(京アニの女性監督が)ブログで自分の作品を公開していました。なんで落選させておきながら使うのかと。裏切られた気分でした」 とか、掲示板に自分の作品を投稿するも、誰にも見てもらえず…同じ時期、自宅アパートでは、騒音に悩まされていたということを話しています。 被告 「室外機の音がうるさく、それでも(アパートの)上の階の人がエアコンを付けて寝られず、良いこと何も続かず、人に会うのも嫌になって会わなくなりました」  昼夜逆転し、「堕落した生活に陥った」とも話しています。

統合失調症の様態そのものといった感じです。京都アニメーションの女性監督とのことは、事実がわかりませんので、ハッキリとしたことは言えませんが、先ほども書きましたが、自分を否定されたり、受け入れてもらえないことを自分自身で気持ちを調整し、受け止めることが出来ない状態(他人よりも、まず自分が認められないといけないという状態)ですので、それを満たすためについに凶行に移してしまった可能性があります。

そして、「人に会うのも嫌になって会わなくなりました」と語っていますので、支援者は居たのかもしれません。ここで、人との関わりが途絶えてしまったことで歯止めが効かなくなり、直接凶行に向かうことに繋がってしまったと考えられます。もし支援者の方が居たのなら、その方々は悔やんでも悔やみきれず、痛恨の極みではないでしょうか。

〈収監されるたび、被告はどのような支援を受けていたのか?!〉

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まとめ

私なりにこの事件をあらためて振り返ってみると、もしあの時、あのようにしてれば、、ということがいくつかあります。

それは、

虐待を受けていた時に、真っ先に保護されていたら、、
小学校の時に受けていた虐待について、中学、高校、専門学校、そして刑務所と適切に引き継がれ、必要な支援を受けていたら、、
服役するたびに悪化する状態に対して、継続的で適切な医療ケアがあれば、、
更生施設や刑務所の出所後の社会適応のためのサポートが継続的に適切に行われていれば、、(本人が拒否をしても)
自分を理解してくれる家族、親戚、友人、職場の人間関係などの親しい関係の人が一人でも居たら、、

 

一保育者としても、一社会人としても、一人の大人としても、私も全く他人事ではないなと感じました。

 

〈2024年1月25日の事件判決→リンク

 


 

最後まで【保育のねらい(基本的信頼感)】京都アニメーション放火犯人の背景から、大人として必要なことを考えるをお読みいただき、誠にありがとうございました。

もしご意見ご感想などございましたら、コメントで頂けますととても嬉しいです。

 

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