こんにちは、「子どものみかたブログ」です。
参議院選挙が近づき、連日ネットやメディアで政党の政策や政治家の動きが報道されています。そんな中で、私たち大人がもっと真剣に考えなければいけないこと――それは、「子どもと政治」の関係です。
最近、こんな場面を目にしませんか?
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政治家が子どもに仕事を任せたり、
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子どもから直接意見を聞いたり、
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手紙をもらって、それに応えるような政策を打ち出したり…
それに対して「すてきな政治家!」「ちゃんと子どもの声を聞いてくれてるんだ!」と感じる方もいるかもしれません。
でも、本当にそれは“子どものため”なのでしょうか?
子どもの「声」が叶えられる構図の裏で
子どもの要望が叶うと、本人はもちろん、親や周囲の大人たちも大喜びします。子どもの周りの政治家の好感度はぐっと上がるでしょう。
でも、子ども自身は、そこにどれだけの人や予算、時間が動いたかなんて知るよしもありません。
なぜその願いが叶ったのか、どうして他の子どもの願いは叶わないのか――
その背景を理解するには、まだまだ時間がかかります。
だからこそ、大人はそこに慎重になるべきなのです。
「政治に関わる経験」と「子どもを利用すること」は違う
子どもが政治に関心を持つきっかけを作ることは大切です。でも、選挙前に好感度を上げたいからと、子どもに目立つ役割を与えるのは違います。
それは時に「子どもを利用している」と言われても仕方のない行為です。
しかも、その行為で得をしているのは、誰よりも“大人”であることが多いのです。
子どもに本当に力を与えるには?
もし本気で、子どもたちのために政治家が動くなら。
・子どもの生活に直結する、保育園や学校環境の改善
・子どもの成長や人格形成に寄り添った制度づくり
・教育で現代社会や政治の課題を考えさせる
そういった、「社会全体の子どもたちの利益」につながる政策に取り組むべきではないでしょうか?
果たしてそれでいいのでしょうか?
教師が正解を導くのは問題があるのかもしれません。しかし、社会の問題を取り上げ議論すること自体は、逆に子どもたちにも必要なことではないでしょうか。
たまたま声を届けられた一部の子どもだけでなく、すべての子どもに目を向けることが必要です。
社会参加の本当の形をつくるために
子どもが社会に参加する経験としては、学校や施設のルール作りやリーダーシップ体験があります。
生徒会や班活動もその一部かもしれません。
大人が少しずつ権限を渡し、子どもを信じて任せ、子どもが自ら考えて行動できるようにする。
それこそが「社会の一員として子どもを扱う」ということです。
その経験の延長には、将来政治や社会づくりへの関心が育ち、自分の力でよりよい未来を築く若者が現れるかもしれません。
「子どもを使って看板を書かせた」その先に
たとえば以前にありました「子ども家庭庁」の看板を子どもが書いた――というのは、確かに心温まるエピソードかもしれません。
でも、それが子ども全体の幸福にどれほど貢献したか?と問われれば、おそらく影響はわずかでしょう。
一部の子どもが自己実現できた、という面はあるかもしれません。
でも、それを“子どものための政治”だと胸を張って言うのは、やはり違和感があります。
子どもの人権、搾取されていませんか?
子どもはまだ社会のしくみを十分に理解していません。
それを良いことに、目に見える範囲だけで“叶えてあげた”ように見せるのは、時に「搾取」になりかねないのです。
子どもの本当の幸せとは何か?
子どもの権利とは何か?
選挙のこの時期だからこそ、私たち大人が立ち止まって、冷静に考えてみるべきではないでしょうか。
最後に
子どもを「使う」政治より、子どもの未来を「育てる」政治を。
一人ひとりの子どもが、自分の力で社会を変えていけるような未来を、本気で作っていきたいですね。
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