2018年に大幅に保育所保育指針は改編されましたのは皆さんご存じだと思いますが、
なぜ今の内容に改編されたのか、
その大幅改編までにどのようなことが議論されたのか、またどのような理念が盛り込まれたのか、その経緯を確認していきたいと思います☺
改編の元になった中央教育審議会
2018年に保育所保育指針が大幅に改編されましたが、
その元になったのは10年に一度行われます、学習指導要領の改訂にともない2016年に開かれた中央教育審議会(以後中教審)で話し合われた内容になります。
新しい学習指導要領は周知期間を経て、小学校では2020年度からのスタートになりましたが、直前にコロナウイルスの流行があり、とても混乱した中でのスタートになりました😓
学習指導要領パンフレット表紙内容
その新しい学習指導要領のパンフレットの表紙に書いていることが、国の方針として、一番国民に周知徹底したい、理念であると考えられます。
今の学習指導要領パンフレットのタイトルは、
とあります。
生きる力は、学んだ先の将来のために身につける力ということを言いたいのでしょうか。
それはその通りなんでしょうね☺
ただ、改定に込められた願いですが、ちょっと気になる点があります😓
『どんなに予測困難になっても自分で解決し、幸せを実現してほしい!』とありますが、それだけでかなり大変なことを課せられているように思いますが、もし仮に孤独に困難を乗り越えたとしても、それは幸せとはつながらないのではないでしょうか。
人の幸せって、家族や仲間など、他者との繋がりの中で、誰かのために貢献しているという感覚から感じるものと聞いたことがあります。
壁を乗り越えるため、必死に努力をして頑張って乗り越えられたとしても、それが孤独だとどうしようもないように思えるのですが、どうなんでしょうね😨
あと、自分一人で乗り越えられない予測不能な困難って、長い間生きていると割とあると思うのですが。。
そして壁を乗り越えられる、乗り越えられないも誰にも苦手な分野や不得意なことがあり、個人差もありそうですが、それとも『生きる力』が強いものだけが生き残ればいい!ということなのでしょうか😓
生きる力とは
ですので、生きる力というなら、
でも、失敗したり、乗り越えられない壁が現れたら、みんなで助け合おう!
そして最後の最後は国が助けるよ!といって欲しいかなって思います。
そうすることで、失敗を恐れず、高い壁にも挑戦しよう!とすることが出来るのではないでしょうか。
初めから『予測不能の困難があっても、自分の力で乗り越えましょう!』と要求する国や社会を信頼出来るものでしょうか?
〈自立することを目的にすると幸せになれるのか?〉
そして生きる力って、生きたいと望む意欲とも言えるかもしれませんが、生きたいという意欲ってどんな時にもてるかというと、
そういう実感があって初めて得られる感覚ではないでしょうか?
なので、それらを保障するということが、国や教育の役割であると思うのです☺
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改編内容
それでは具体的に教育指導要領の改編された中身を見ていきたいと思います☺
子供たちの学びはどう進化するの?とタイトルがありまして、
〇主体的、対話的で深い学び(アクティブラーニングの視点から)
何を学ぶのかだけではなくて、どう学ぶのかを重要視
〇カリキュラムマネジメント
効果を検証、教師が連携、地域と連携→ 学習効果を最大化する
主体的に!ということは最近の保育でもよく言われるようになってきましたが、この新しい学習指導要領の影響だと思われます。
〈主体的な保育とは?〉
アクティブラーニングについては、これまでの知識の詰め込みだけではなくて、学ぶ過程も重視するということだと思います。
幼児期は実体験自体が保育や教育であるとも言えますし、また生活や遊びなどを通じて全体的にそして教科や領域を横断して行われるものと考えられますので、保育は教育の原点!であることをあらためて確認出来ますね☺
地域との連携は、後からも出てきますが、とても重要視されています!保育においても、地域の力を使った保育が望まれています。
次に、
三つの力をバランスよく とありまして、
(学校教育法が根拠のようです)
とあります。
知識技能に偏らない教育!ということを目指したいのかもしれません。
人間性については、哲学的で色んな見方が出来ますが、私は社会性を大事にすることや人間である以上、未熟で不完全なものであるということを自ら認めるということも、人間性を意識することになるのではないかと個人的には思ったりします。
だからこそ、共助や共生という意識が大切になるのでは?!って。
表現力というのは学ぶというよりも、就学後はむしろ個々にそれを出せることを積極的に保障すべきものなのかもしれませんね。
そして、教育するにしても子どもにとっていいタイミングというものがあります!
例えば、
極端に言いますと、小学校一年生に教育出来るものと小学校六年生に教育出来るものは違うという、発達の視点も大事にしてほしいですね。。
新たに取り組むこと、これからも重視することは?
次に、新たに取り組むこと、これからも重視することとしましては、、
とあります。
これらに加えて、体験活動、キャリア教育、起業に関する教育、金融教育、防災安全教育、国土に関する教育もあります。
私が特に気になりますのは、道徳教育と特別支援教育の部分でしょうか。
例えば、社会のあらゆる問題の原因になっていると思われます、人権侵害の課題について教えたい場合、どのように伝え教えていくのか、またその教育効果をどのように測るのか興味があります。
しかし、あれもこれもとよく詰め込みましたよね、、😓
以前、詰め込み教育や受験戦争が問題となり、子どもを不安定にさせるということが起きました。そこでゆとりが必要ということで改善がなされたはずなのですが、ゆとりという言葉は消えてしまいました。
以前の経験が活きていないように感じるのですが。。😓
また、生きる力のためということですが、これが一番大切!というような、人間教育としての何か軸のようなものを感じないような気もします。
これらを幼児教育含めて、教育の中に落とし込むとしまして、子どもの発達やキャパはどのくらいと想定しているのでしょうか、、😨
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次世代の学校地域創生プラン
2016年に作成されました、中教審の答申実現のための次世代の学校地域創生プランが作成されました。その中では、
とタイトルにあり、この二つの大きな目的のために新しい教育指導要領が作られたと考えられます。
『次世代の学校地域創生』の中身では、
〈学校〉
〈地域〉
ということが目標に掲げられています。
〈教員改革〉としましては、、
→資質の向上とありまして、
とあります。
これらのことが、2018年からの幼稚園教育要領や保育所保育指針にも反映されています。
地域と一体となって教育を行っていくということが、特に強調されています!
これまでよりも一歩踏み込み、地域の方々も教育に参画することが求められています。
園長なども含めて、地域との人間関係が重要になっていますね😓
教員の資質の向上も不断に要求されています!
保育所保育指針解説にも、最後の章で職員の資質向上のために13ページ割かれています😓
中央教育審議会決定事項
2016年8月 文科省の幼児教育部会における審議の取りまとめが行われました。
【3つの柱】としまして、
①知識技能の基礎
②思考力判断力表現力等の基礎
③学びに向かう力、人間性等
基礎と入れているところが、小学校以上と違うところですね。
【幼児期の終わりまでに育ってほしい姿】としましては、
①健康な心と体
②自立心
③協同性
④道徳性・規範意識の芽生え
⑤社会生活との関わり
⑥思考力の芽生え
⑦自然との関わり・生命尊重
⑧数量・図形、文字等への関心・感覚
⑨言葉による伝え合い
⑩豊かな感性と表現
があげられています。
ここで私が拘りたいのは、‟芽生え”や‟関心・感覚”という言葉をあえて使っているところです。
完璧に『~が出来る、わかる』とか『身につく』ことを目指していないと考えることが大切だと思います☺
それを経て、
中教審で最終決定された内容が次のリンクになります。
2016年12月 〈幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について概要〉
具体的な方向性としまして、幼児教育の部分では上記の3つの柱と幼児期の終わりまでに育ってほしい姿以外では、
と書かれています。
自己制御が必要とのことですが、それは幼児期にもっと必要なのかそれとも大人が自己制御出来ない人が増えているということが問題なのかよくわかりませんが、いずれにしてももし自己制御が出来ないのが問題ならその背景を探る必要があるのではないでしょうか😓
最後に幼稚園教育要領が変わるので、保育所保育指針や認定こども園教育保育要領とも整合性が図られることが望まれるとあります。
ここにやや混乱が起きるかも?!という想像は出来ますね😨
ご意見・ご感想など 子どものみかたブログ読者の方から頂きましたご意見などです。