保育所改革

【保育のニュース】国の保育政策が保育の質を低下させている?!

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経営者 保育所改革

こんにちは☺

いつも子どものみかたブログをお読みいただき、ありがとうございます!!

 

今回は国の保育政策の振り返りです!

 

これまで国が行ってきた、保育政策は保育の質を上げたのか下げたのかを考えてみたいと思います☺

 

保育の質を下げた疑いのある保育政策

私が考えます、保育の質の低下に繋がる疑いのある保育政策は、、

 

・保育士試験機会を増やす
・週4勤務の常勤扱い制度
・不適切な保育の定義を虐待とイコールに変更
・地域限定保育士制度の拡大
・多過ぎる1人頭の業務量
・大人数を一斉に保育する保育士配置基準
・離脱に繋がる保育士の低待遇
・無資格の保育補助制度

 

それではそれぞれの保育政策が、保育の質を低下させると思われる理由をご説明いたします☺

 

・保育士試験機会を増やす

2016年から、保育士資格試験は年に2回に変更されました。

 

これは当然足りない保育士を確保するためですが、この辺りから潜在保育士が増えているということも言われるようになってきたと記憶しています。

 

保育現場から離脱する保育士が、後を絶たないという状況だったと思われます。

 

それを、待遇を良くするなどして、辞めないようにするか、待遇をそのままに、新たな有資格者で補完するか、この国の保育政策の分かれ道だったと考えられます。

 

 

また、2018年から保育の質の向上に関する検討会が、厚労省で行われていて、少なくともこの数年前から、保育の質の低下がかなり問題となっていたと思われます。

 

そして、その1年前の2015年から、地域限定保育士試験が実施されていますが、それはのちほど取り上げたいと思います。

あと、どことは申しませんが、驚くことに年3回の保育士試験を実施している県もあります😨

 

では、なぜ保育士試験が増えると、保育の質が下がるのか、ですが、、

保育士を採用しようとすると、普通はハローワークなどで求人をかけます。

『なかなか見つからないな、、』となりますと、給料を上げ、待遇を良くして募集しなおします。

そして、保育士自体が貴重ですので、今後の保育士不足を予防するため、今いる保育士を大事にします。

 

逃げないように、、苦笑

 

出来る限り待遇を良くしようとしますし、運営側としては、働きやすさも意識するようになるかもしれません。

長く務めることで、経験はつめますし、現場に居る子どもを深く理解している保育士が増えます。それが必ず保育の質を上げるとは言い切れませんが、優秀な保育者が育つ条件は出来上がります。

 

それが、、

保育士試験の機会を増やし、新たな有資格者が毎年大量に出るようになりますと、保育士を採用しようとすると、すぐに見つかるということになります。

すぐに見つかりますが、元々退職された保育士が居ますので、何かしら保育現場に問題があったはずです。

 

それは待遇なのか、人間関係なのかわかりませんが、改善するべき課題があったはずですが、それを改善しなくても、保育士が見つかるということになります。

 

これが、全国で毎年あちこちの保育現場で繰り返されるようになります。

 

保育士がいくら辞めても、『あなたの代わりはいくらでもいる!』と考える運営者が居ても不思議ではありません。

 

しかも、経験が浅いので、人件費が安いという、経営的メリットがあります。

 

そうなりますと、経験の浅い保育士が辞めたらまた採用し、辞めては採用しということが繰り返されます。

 

それは、保育のことやその保育所の子どもたちのことを深く理解している保育士が、少なくなるということを意味します。

 

保育の経験も浅く、子どものことを深く理解していない保育士で保育を回すということになります😨

これが保育士試験を増やすことで、保育の質が低下する理由です。働き続けている保育士も、待遇が上がりにくいので、モチベーションが上がりません。

 

※しかし、現状は年2回に保育士試験を増やしても、最低基準に満たない保育所が現れるくらい、保育士離れがさらに進んでいます。

 

・週4勤務の常勤扱い制度

こども家庭庁は今年4月、保育士が週4日勤務でも「常勤」と認める通知を出しました。

 

これまでは、

 

保護者と十分に連携するため、国は短時間勤務ではない「常勤保育士」の確保を原則としていました。

 

これは保育の継続性という視点で、とても重要です。

 

例えば、

 

1日では、その日の過ごしていた様子を理解している保育士が保育をすること、1週間では、その週の様子を理解している保育士が保育をすること、また、1年を通じてその子どもを理解して保育をすることが、子どもにとってとても有益になります。

 

それが、ところどころ途切れてしまいますと、子どもの事をあまり理解していない保育士が引き継ぐことになり、子どもが不安になる可能性がありますし、体調などの情報が引き継がれないことで、思いがけない事故にも繋がりかねません。

これまで週5日勤務の保育士が保育していたのが、週4になりますと、丸1日担当とは違う保育士が保育をすることになります。

特にまだ情緒が安定しない、幼児期の初期の頃ですと、担当が変わることで子どもを不安にさせ、ストレスを抱えさせる可能性があります。

 

これが、保育の質を低下させる理由です。

 

しかし、驚くことに国は週4勤務の常勤化が、保育の質を向上させると説明しています。そんなはずはないと思いますが、これは問題ではないでしょうか?! 本当に根拠があるのなら、示してほしいところです。

民間企業が作成した資料ですが、⇒リンク

 

時間創出による余暇の活用
①育児介護など家庭での役割分担がしやすい
②副業がしやすい
③まとまった時間での健康増進アクティビティ、休養をとりやすい

など、勤務しない1日を副業など、保育とは違う過ごし方を推奨していて、保育の継続性などを軽く考えているのではないでしょうか。

また、育児や介護の問題を抱えている保育士を利用しているようにも見えます。

育児や介護の問題は、保育士の働き方とは別の問題です。他の仕事をされている方も同じですので、もしそれが必要なのなら、保育士だけに限らず、別の制度が必要ということなのでしょう。

私は、このような政策を思いつく方は、保育や福祉の専門家とは思えないように感じますが、いかがでしょうか?!

 

民間企業の思惑を考えると、週4の常勤扱いは、保育所経営のため『常勤保育士』を見つけやすくして、最低基準を満たせるようにするためというのが一番の目的だと考えられます。

 

そこに保育の質を維持したり、向上させようとする考えは、残念ながら感じられません。

 

・不適切な保育の定義を虐待とイコールに変更

これは直接保育の質を低下させるというよりは、国のメンツの問題だと考えられます😨

 

昨年行われました、不適切な保育に関する調査では、全国でわかっているだけで1万9千件以上にのぼる、不適切な保育があることが判明いたしました😓

 

この数字に驚いたこども家庭庁が、数字だけでも改善しないといけない!と考えた結果、不適切な保育の基準を虐待とイコールに下げたのではないでしょうか。

 

本来、不適切というからには、皆さんもわかると思うのですが、適切ではない、ふさわしくない、良くないというような意味で、保育でいうと避けなければいけない保育ということになります。

 

ですので、

常態化しているとも言えます、1万9千件の不適切な保育を出来るだけ少なくするということが、こども家庭庁に求められているはずです。

 

ですが、この多すぎる件数では、何をしても解消するところまでは難しいという判断をしたのでしょう😓

基準を虐待と同じとすることで、今後の調査では、数字自体はかなり減ることが予想されます。

 

実質、国は不適切になるのは仕方がない、でも虐待はダメですよ!ということを言っているのと同じではないでしょうか。

 

これが保育の質を低下させる理由になります。

 

・地域限定保育士制度の拡大

先ほども書きましたが、2015年から保育士試験とは別に、地域限定保育士試験が行われています。

 

地域限定保育士は、実技試験がありません。その代わりに講習を受けることで、保育士になれるという地域もあります。

また、3年経つと保育の経験の有無にかかわらず、受験した地域でしか働けなかったのが、全国で働ける『保育士』になれます。

 

これまで受験地域を限っていたのが、この度全国に拡大されます。

「地域限定保育士」全国に拡大へ 法改正で人手不足緩和 - 日本経済新聞
政府は特定の地域に限って勤務を認める「地域限定保育士」を全国に拡大する。現在の対象は国家戦略特区の指定を受ける自治体に限定している。2024年にも児童福祉法を改正し、全国で生じる保育士不足の緩和につなげる。地域限定保育士は登録して最初の3年...

 

保育士資格を持つ人が増えると、なぜ保育の質が低下するのかは、保育士試験を複数にするという項目で、先ほど説明をしましたので、同じ理由で保育の質の低下に繋がります😓

 

・多過ぎる1人頭の業務量

これまでの不適切な保育に関する調査で、その原因は忙しすぎる業務ということが指摘されています。

令和2年度 不適切な保育に関する対応について 事業報告書 一部抜粋

保育士が多様な対象に対して多様なニーズに対応することを求められる状況においては、保育士が子どもや保護者一人一人に丁寧に向き合い、対応するための十分な時間が確保できない状況も生じうる。
また、例えば、職場において保育士間で日々の保育の振り返りを行う機会などを定期的に持っていれば、未然に不適切な関わりを防止できたり、不適切な関わりに陥っていたとしても早い段階で改善されたりすることが期待できるが、そうした機会がない場合、保育士同士の気づきが促されないなどの弊害が考えられる。

 

忙しすぎることで、日々の保育の振り返りを行う機会を持てず、保育士同士の気付きが促されないなどが起きやすくなるため、保育の質の低下を招きます。

 

 

・大人数を一斉に保育する保育士配置基準

例えば、児童福祉施設最低基準では、3歳児は20人の子どもに対して、保育士1人を配置するとなっています。

 

3歳児というのは、まだ発達的に友達に合わせて同じように行動し、自分の気持ちを調整し、ルールに従って行動出来る時期ではまだないので、20人も同時に1人の保育士がみるということになりますと、『無理やり』何かをさせるということが、起きやすくなります。

保育士としては、安全のためであっても、子どもにとっては無理に力関係で動かされるのは辛く、しんどいことですので、個々の発達状況に合わせることが難しく、保育の質が低下するということになってしまいます。

 

・離脱に繋がる保育士の低待遇

全体の平均給与は、令和3年で433万円(国税庁)となっていて、保育士は382万円となっています。

一時期平均給与との差は、120万とも140万とも言われていましたが、少しずつ処遇改善が行われていて、今ではだいたい平均とは50万円ほどの差になっています。

 

これは、保育士の給与が上がったというよりは、長い間平均賃金が上がらなかったということも関係してそうです😓

 

給料以外の問題として、保育現場では、サービス残業、持ち帰り、休憩が取れないなどが常態化していることも多く、先ほども話しましたが、仕事量の軽減とこの平均給与の差も出来るだけ縮めていく必要があるのではないでしょうか。

 

低待遇によって、保育士が早期に辞めてしまうことで、先ほどもお話しましたが、保育の継続性が保てず、保育の質が低下してしまいます。

 

 

・無資格の保育補助制度

最後に、無資格でも保育の仕事が出来る、保育補助の制度について考えてみたいと思います。

 

保育士の補助的な仕事と言われていますが、実際は一通り保育士と同じように保育業務を任されることもあります。

また、延長保育の時間帯などは、補助の保育者が中心になることもあり、人にもよりますが、保育の質が問われることがあります。

働く人のために、保育時間を延長し続けてきましたが、国はこどもまんなかというのなら、子どもにとって負担が大きくなっていないかも考えないといけないのではないでしょうか。

 

そういう意味では、延長保育の制度も、保育の質を下げている可能性がありますね😓

 

保育補助の制度は、ある意味保育は誰でも出来る仕事と、国が示してしまっているように私は感じるのですが、どうなのでしょうか😓

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

 

このような、保育政策の振り返りというのは、書いていてとても大事だなあと感じました。

 

本来は、私のような一保育士ではなく、報道機関が保育や福祉の専門家を呼んで、特集を組んでするべきようなことなのでしょうね😓

 

保育でも、1日や1年を振り返り、問題や課題があれば、では次はどうしようかと改善していくことで、前に進めることが出来ますしね☺

 

これらの国の保育政策を振り返ってみて、ねらいはどこにあるのかを考えますと、

 

保育経営者が経営しやすいため

 

というのが、とても大きいように感じました。

 

私はこれらような、保育の質にこだわらない保育政策は問題だと思いますし、他には、国のメンツであったり『家族主義』の理念が強く、保育や保育士を明確に重要視することは出来ない、という考え方が影響しているのではないかと思いましたが、いかがでしょうか?!

 

 

 

最後まで【保育のニュース】国の保育政策が保育の質を低下させている?!をお読みいただき、誠にありがとうございました☺

もしご意見ご感想などございましたら、コメントで頂けますと、今後のモチベーションになり、とても嬉しいです☺

 

 

 

 

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