保育士のために

【保育のねらい(5歳②)】今後の社会性にも繋がる5歳児の高度な認知力って?!5歳児の認知の発達後編

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5歳児 保育士のために

こんにちは☺

いつも子どものみかたブログをお読みいただき、ありがとうございます!

 

今回は、前回の5歳児の認知の発達前編に続く、後編です☺

 

さすが5歳児になりますと、認知力も高度になり、様々な姿が見られるようになります。

 

〈前編と合わせてお読みいただくと、5歳児の認知力の全体像がわかります☺〉

【保育のねらい(5歳②)】今後の社会性にも繋がる5歳児の高度な認知力って?!5歳児の認知の発達前編
5歳児のとても高度な認知の発達から保育を考えました。

 

ここで、4歳後半の認知の発達を、簡単に確認しておきましょう☺

【保育のねらい(4歳後半②)】書ける文字や数字が現れるのはいつ?!記憶が充実してくるのは?!4歳後半の理解力とは?!
4歳後半の理解力と保育の内容について考えてみました。4歳児の保育や子育ての参考になればと思います。

 

斜めへの意識が出てきたり、高、長、大の違いがわかったり、書ける字や数字が出てくるなど、5歳の明確な認知力への過渡期のような姿がみられました。

 

 

それでは、前編に引き続き、5歳児の認知の発達の姿と保育の内容を考えたいと思います☺

 

保育の内容

5歳児の認知の発達の姿の続きです☺

 

傾いたコップの水面は、底辺とほぼ平行に描くことが多いが、実際を見ると変える努力をする

という発達についての保育を考えたいと思います☺

 

傾いたコップの水面を絵で描く際に、誤って底辺とほぼ平行に描くことが多い5歳児の発達を促すための保育方法は、実物の観察、絵で描いたものと実物を比較する視覚的なゲーム、自分で描いたものがもし、比較して違いがあれば、修正する前提で絵を描く取り組み、実物と絵を比較と対照をする間違い探しゲーム、誤りがあれば個別に伝え、頑張った過程や修正出来たことをポジティブに強調して支援します。これらの方法を通じて、子供たちは誤差を発見し、修正する能力を向上させ、絵を通じて現実の物体を正確に表現するスキルを発展させます。保育者としましては、自信を持って観察力を育む楽しい学習体験を提供することが大切です。

 

次に、

赤と白の積み木を使って2段4列の配置をすると、左右対称、上下対称、点対称、非対称のパターンができる さらに、余った積み木を自己対称的に配置し、余りの積み木をずらしたり、回転させたり、反転させたり、分割したりしはじめる

という発達についての保育を考えたいと思います☺

 

保育を考える前に、左右対称、上下対称、点対称、非対称についてですが、

左右対称: 左半分と右半分が鏡像のように同じ配置になります。左右対称のパターンです。
上下対称: 上の段と下の段が上下逆さまでも同じ形になります。上下対称のパターンです。
点対称: どこか一つの積み木を中心にして180度回転させると同じ形になります。点対称のパターンです。
非対称: 上下や左右を反転させても同じになるわけではなく、独自の配置になります。非対称のパターンです。

 

赤と白の積み木を使って2段4列の配置を通じて、左右対称、上下対称、点対称、非対称なパターンを理解し、さらに余った積み木を使って創造的な方法で配置を変える発達を促すための保育内容は、

1. **対称性の学習**:
積み木などを使って、対称性の概念を教え、具体的な例を示します。左右対称、上下対称、点対称の違いを理解させます。
2. **積み木の配置ゲーム**:
子供たちに積み木を使った配置ゲームを提供します。最初は左右対称の配置からモデルと同じように配置してもらい、次に上下対称、点対称、非対称のパターンを試します。
3. **自己対称性の活用**:
余った積み木を自己対称的に配置する練習を行います。積み木を折りたたむように、対称的に配置し、対称性を理解します。
4. **変化と想像力**:
余りの積み木をずらしたり、回転させたり、反転させたり、分割したりする活動を通じて、配置の変化を体験し、空間的な想像力を養います。
5. **グループでの協力**:
グループで協力し、異なる配置を共有し合う活動を行います。お互いに異なるアイデアを尊重し、新しい配置を考え出します。
6. **問題解決と課題**:
子供たちに対称性を活用して課題を解決する機会を提供します。例えば、「対称的な配置を考えてみよう」といった問題を出します。
これらのアクティビティを通じて、子供たちは対称性の概念(ある操作を施した時に,その対象が変わらない)を理解し、自己対称的な配置を作成し、積極的に配置を変える能力を発展させます。また、創造性や協力精神も育まれ、数学的思考と空間的な想像力が促進されます。保育者としましては、子供たちが興味や関心が持てるように演出しながら、楽しく意欲的に挑戦出来るようにサポートすることが大切です。

 

次に、

構成では、階段構成が4個、3個、2個、1個、あるいはその逆というように、厳密ではないが、かなり系統的に作ろうとする 3個の積み木の構成では、形が異なっても、3個で等しいことがわかった上で、3回とも形を変えて作る自由度を持つ

という発達についての保育を考えたいと思います☺

 

階段構成や積み木の構成に関する子供の発達を促すための保育は、次のようなものが考えられます。

1. **階段構成の理解**:
子供たちに階段状の積み木の構成を教え、積み木を段階的に積み上げることの概念を理解させます。例えば、1個、2個、3個、4個と順番に積み上げてみることから始めます。
2. **自由な構成の奨励**:
子供たちに厳密な規則を持たずに、自分たちのアイデアで積み木を構築する自由度を与えます。3個の積み木で異なる形状やパターンを作成することを奨励します。
3. **形状の比較**:
3個の積み木で異なる形状を作成した際に、それらの形状が等しいことを理解させます。形状や配置の違いにもかかわらず、3個の積み木が同じ量であることを強調します。
4. **数学的思考の奨励**:
積み木の数学的な性質を探求する活動を行います。例えば、3個の積み木を異なる方法で組み合わせて作ることができることを示し、数学的なパターンを探求させます。
5. **問題解決と挑戦**:
子供たちに異なる形状や構成の課題を提供し、解決策を見つけるチャンスを提供します。問題解決のスキルを育むために、子供たちが考え、実行し、評価するプロセスをサポートします。
これらのアクティビティを通じて、子供たちは構成に対する理解を深め、創造的な方法で組み立てる能力を発展させます。また、数学的思考や問題解決能力も同時に育てます。

 

次に、

2×2の模様合成に関しては、4つの積み木を使って模様を合成できることに気付き、模様の一部である斜めの部分を除いて、他の部分はモデルと同じように作れるようになり、模様の中心線や先端部分の三角形に対称的にできはじめる

という発達についての保育を考えたいと思います☺

 

2×2の模様合成の発達を促すための保育の内容です。

1. **模倣と理解**:
子供たちにモデルを提供し、4つの積み木を使って模倣する機会を提供します。最初は、斜めを除いたモデルに従って模様を作ることから始めます。
2. **差異の認識**:
斜めの部分を除いて、他の部分はモデルと同じようにできていることを強調します。模様の差異や類似点に気付かせます。
3. **対称性の理解**:
模様の中心線や先端部分の三角形に対称的にアプローチする方法を教えます。対称性を理解し、模様を左右対称に考える機会を提供します。
4. **自由な模様合成**:
子供たちに自由に模様を合成するチャンスを提供します。斜めの部分を含む模様のバリエーションを試し、自分なりの模様を作成できるようにします。
5. **模様の拡張**:
模様の合成を通じて、より複雑な模様を作成する方法を探求させます。子供たちが模様を拡張し、新しいデザインを考えるチャンスを提供します。
6. **創造性と評価**:
子供たちに自分の模様を評価し、他の人と共有する機会を与えます。創造的な表現とコミュニケーションスキルを育てます。
これらの活動を通じて、子供たちは模倣から理解へと移行し、対称性と創造性を組み合わせた模様合成のスキルを発展させます。また、模様に対する洞察力や問題解決能力も育むことができます。

 

次に、

描画では、曲線描写、対称刺激図形に対して外側に描き足したり、群性化図形に対しては、両極への群性化(近いものや似ているものをグループ化したり、円など閉じた図形を見出そうとする性向)がそれぞれ見られ始める

という発達についての保育を考えたいと思います☺

 

描画の発達を促す保育です。

曲線描写の向上:顔やボール、石ころなどを描くなど、曲線を描く経験が積めるようにして、芸術的な表現を促します。
対称的な図形への挑戦:対称的な図形に挑戦し、顔などの描写では、髪の毛や耳など外側に描き足すことを促し、バランスの取れたデザインを作成します。
群性化とパターン認識:線の長さや太さ、丸と四角など似たものをグループ化し、パターンを見つける性向を育てます。それらを組み合わせた描画を支援します。
創造性と自由な表現:子供たちに自分なりのアート作品を自由に制作する機会を提供し、規則に縛られずに表現力を発展させます。
視覚的思考と感性の育成:視覚的な認識力を高め、美的感覚を発展させるためにさまざまな視覚的な刺激に触れられるようにします。たとえば、綺麗に見える物や形の整ったものを描画の対象にします。
共感と評価:他の子供たちの作品に共感し、評価する機会を提供し、異なる視点を尊重します。
これらの活動を通じて、子供たちはアートの表現力を向上させ、視覚的な刺激に対する感受性を高め、他の人との共感と協力を育てます。

 

次に、

3方向の人物がでは、正面、後ろ向きが描け、横向きにとらえようと努力をし始める 家から親しい所までの道順では、出発点と終点があり、曲がり角が現れ、説明することが出来る

という発達についての保育を考えたいと思います☺

 

3方向の人物の描画能力の発達や、家から親しい場所への道順の理解を促すための保育内容は、以下の通りです。

1. **人物の描画スキル**:
子供たちに正面や後ろ向きの人物を描く機会を提供し、基本的な人物の描画技術を身につけられるようにします。横向きの人物も描く機会を提供します。
2. **視覚的認識**:
3方向の人物を正確に観察し、特徴を捉える練習を行います。人物の向きやポーズを理解し、それを絵に表現できるようにサポートします。子供たちが興味のある人形などを使って、子供たちが囲み、それぞれの方向から描くことも有効です。
3. **方向への意識**:
子供たちに自分の向きや周囲の方向に注意を払うことを奨励します。方向感覚を養い、それを絵に反映させる訓練を行います。たとえば、部屋にある物が、自分から見て、どの方向にあるのかをたずねることなども有効です。
4. **道順の理解**:
家から親しい場所への道順を説明する活動を通じて、子供たちに道順の概念を教えます。出発点、終点、曲がり角などの要素を含めて説明する練習を行います。たとえば、家の近所やいつも生活している、園の見取り図などを描いてもらう取り組みなども有効です。
5. **地図の使用**:
保育者が地図を用意し、家から親しい場所への道順を探し、示すことを通じて、地理的な認識を促進します。地図を読むスキルを育てます。
6. **実地体験**:
実際に家から外出して、親しい場所への道順を歩いたり、園の周囲を散歩して、指示を実行したりする実地体験を提供します。現実の環境で方向感覚を発展させます。
これらの活動を通じて、子供たちは描画スキルと方向感覚を向上させ、道順を理解し表現する能力を発展させます。また、実地体験を通じて地理的な知識も獲得し、自信を持って新しい場所に向かうことができるようになります。

 

最後に、

工作では、粘土での完成のイメージをもって、3次元的な拡がりをもった構成ができ、曲面を取り入れたり、他の素材を加えたりして、全体を命名し始める

という発達についての保育を考えたいと思います☺

 

工作における発達を促すための保育です。

1. **イメージの育成**:
子供たちに粘土や他の素材を使って3次元的な作品を作成する際に、事前に完成のイメージを持つことをアドバイスします。具体的な目標やデザインを考える過程を支援します。
2. **素材の多様性**:
粘土以外の素材(ドングリや葉っぱなどの周辺にある自然素材、箱、木材など)を導入し、子供たちに異なる素材を組み合わせて作品を制作する機会を提供します。素材の特性を理解し、適切に活用する方法を教えます。
3. **曲面と立体感**:
曲面を取り入れたり、立体的な要素を作品に加えることを助言します。子供たちに立体的な構造を考え、実現するためのスキルを養います。
4. **命名と表現**:
作品に名前をつけることを促し、自分の作品を表現する方法を教えます。作品のテーマやメッセージについて話し合い、その意味を共有します。
5. **クリエイティブなプロセス**:
子供たちに制作過程の中でアイデアを試し、修正する重要性を理解させます。ミスや誤りを許容し、それを機会として学ぶ態度を育てます。
6. **共感と評価**:
他の子供たちの作品に対して共感し、評価する機会を提供します。互いに作品を認め合い、アートの楽しさを共有します。
これらのアクティビティを通じて、子供たちは工作のプロセスを楽しむだけでなく、アート作品を通じて自己表現し、空間的な感覚と創造力を発展させます。また、他の子供たちとの協力や共感も育て、豊かなアート体験を提供します。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか☺

 

5歳の認知の発達は、多岐に渡り、しかもとても深くなる姿が見られますね☺

 

私が特に注目したい、5歳児の認知の発達は、

配分では、均等に分けた後、余りを理屈によって配分するようになったり、
±1がわかるようになったり、
粘土では、素材を足したりなどして、自己表現を豊かにする

というような部分でしょうか。

 

これらの認知力の高まりによって、社会性の発達も促されるところがあるのではないでしょうか。

 

これらの高度な5歳の認知力を十分に活かした保育が出来るといいですね!☺

 

 

最後まで、前編後編に渡って続きました【保育のねらい(5歳②)】今後の社会性にも繋がる5歳児の高度な認知力って?!5歳児の認知の発達をお読みいただき、誠にありがとうございました☺

もし、ご意見ご感想などございましたら、コメントで頂けますと、とても嬉しいです!

 

 

〈参考:発達における対称性原理について〉⇒リンク

〈参考:群化〉⇒リンク

 

 

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