こんにちは☺
今回は、久しぶりに探偵ナイトスクープ子ども名作回を取り上げようと思います☺
〈クローゼットが怖い5歳児〉
関西ABC放送で、2023年11月3日に放送されました、自分の性意識に疑問をもつ大学生からの依頼で、
その内容は、
『今後、女性ホルモン注射もして、女性として生きていくため、自分の男性性に決別をするため、野球の投手としての限界を知るため、140キロ以上の球速を出したい!』
というものでした。
依頼の時点で、依頼者の意思は迷いがなく、とても明確なものが感じられます!
でも、私はこの依頼を聞いた時、子どもがこのような結論に至った過程を、私たち大人は理解をして、社会全体で共有する必要があるのではないかと、感じました。
依頼の解決のために、今回は竹山探偵がご自宅に向かいます!
依頼に至った過程
今回の依頼を解決するために、番組側はかなり打ち合わせを積み重ね、色々な想定をしていたのではないかと感じますが、鍵になったであろう関係者の方に話を聞きに行き、番組を組み立てます。
それでは、依頼者が、今回のような依頼をするに至った経緯を関係者別に見ていきたいと思います☺
依頼者本人
ご本人が今回の依頼をするには、自分が性的マイノリティであることを自分で受け入れることが必要になります。
ご自分では、『男でも女でもなく、人間という感じ』とも話されていました。
いつの段階でそれを意識したのかというと、小学校3年生の時に、教室で男女前と後ろに分かれて着替えた時に、違和感を感じたとも話されていました。
小学校3年生というと、大人との関係性から離れ、友達同士の繋がりを強く意識するようになる時期です。
このようなある意味では、自立に対する意識が強くなる時期に、自分自身のことを客観的に見つめ、周りとの違いをより意識するようになったのではないかと思われます。
依頼者は、子どもの頃から自ら野球に一生懸命打ち込み、父親と二人三脚で上達していったという経験があります。
その中で、身体を鍛え、野球が上達し、投手として球速が上がっていくと、男性的な体つきが強調され、逆に違和感になっていきます。
その後、母親に受け止められ、周囲のサポートもあり、学校にも復帰できるようになり、高校では女性として過ごし、大学の野球部で、今回の結論に至り、依頼することになります。
母親
母親は、周囲の人の中では、一番最初に依頼者の異変に気付き、その原因を理解します。
学校に行けなくなった依頼者に、理由をアレコレ一つ一つ聞いていきますが、
その中に、『女の子になりたいの?』という質問がありました。
また、『学校には行けなくてもいいから』と、あくまでも、聞く姿勢で、登校拒否を批判する姿勢ではありませんでした。
関わる大人は、感情の揺れをコントロールする必要があり、とても難しいことだったりしますが、まずは子どもの側に立って、無条件に話を聞く姿勢を見せないと、子どもは心を開くことが難しくなります。
母親の姿は、番組の依頼者の話から、とても自然に受け入れたように見えますが、実際に内面に起きていたことは、想像するしかなく、どのようなものだったのかは、他人には計り知れないですね。
父親
今回の依頼に至る、一番のきっかけや鍵は、母親の対応にあったと思いますが、その後の過程は、父親が大きく影響します。
父親は、子どもと二人三脚で、野球に打ち込み、上達していく姿を見て、誇らしく嬉しく感じていました。
それが、ある日突然『女の子になりたい』と打ち明けられた時、信じられず、理解出来なかったようです。
依頼者の中では、突然でも何でもないのでしょうが、父親からすると、突然で意外過ぎたようですね。
母親は、うっすら気付いていたようです。
この辺りは割とありがちな母親と父親の違いに思えます。
しかし、依頼者は野球があったから、気持ちのバランスを保てていたとも話されています。
野球に一生懸命に打ち込むことによって、その瞬間は自分の性に対する意識が薄れることがあったのではないでしょうか。
冷静になると、また葛藤が出てくるというような、繰り返しだったと思われます。
もし野球が無かったら、バランスを取ることが難しく、もっと不安定な状態になったかもしれません。
そういう意味では、野球のおかげであり、打ち込めるものを与えてくれた、父親のおかげとも言えますね☺
最初は受け入れるのが難しいと感じていた父親も、色々悩んだ結果、時間はかかったようですが、最終的には、
というところまで、変化していきます。
普通、どうしても親としては、条件をつけたがります。
でも、子どもは親とは違う人格を持っている、一人の人間です!
少し話はそれますが、最近自己肯定感に関する記事を書きましたが、その中で私は、親が勉強など、子どもに何かやらせたいのであれば、
〈参考記事:保育のねらい(自己肯定感)子どもは、自分の持っている力以上の能力を意思に反して要求され続けると、どうなる?!〉
という、2つのことを意識するようにしてくださいと書きました。
その時に子どもは力を発揮しますのでと☺
今回の依頼者の場合は、野球に自ら打ち込むことで、自信や生きる意欲が持て、成長出来たというところがあるのではないでしょうか。
余談でした苦笑
学校の先生
学校の先生は、最初聞いた時には、戸惑いもあったようですね。
でも、それは正直なリアクションではないでしょうか。
その後、冷静に考えるのが大切で、先生の結論は、
ことでした。
それを依頼者は望んでいて、子どもの不安に対して、母親もそうに違いないと伝えていたようですね。
学校の先生も素晴らしい対応でした☺
友達
野球部の仲間たちは、学校へ復帰するために重要な役割を果たしたと思われます。
自分の事を理解してくれている仲間の存在自体が、学校に行くモチベーションになりますし、最初は受け入れてくれるか、とても不安があったのではないでしょうか。
でも、友達たちはとても自然に違和感なく受け入れたように思えます。
この言葉は、一見突き放しているようで、依頼者を勇気づけたでしょうし、救われた部分ではないでしょうか。
このような子どもたちの存在が、今はデフォルトだとしたら、とても教育や子育ては進化したと言えるのではないでしょうか。
どのような人も、等しく尊重され、人格が認められるというような考え方は、とても重要です!
このような考え方は、以前のみんな一緒がいい!というような、同一化、均一化を求める教育から脱して、今の子どもたちにどのくらい定着しているのか、とても気になります。
個々の人を尊重するための支援
今回は、性的マイノリティの方の依頼でした。
性別を特に意識し始めるのは、4歳後半頃と言われています。
その頃になりますと、同性で遊ぶことが増えます。
この頃の子どもの姿で、少し傾向は現れる可能性があります。
では、そのような傾向が現れた子どもに対しては、どのように支援するのがいいのでしょうか。
性別役割や性差についての物語や絵本は、いろいろあって、女の子や男の子、また、力強い父親や優しい母親などが登場したりします。
そのような、固定的な性別イメージもありますし、そこからはみ出すような感覚や意識もあってもいいはずですし、認められることが大切ではないでしょうか。
支援者が適切にまた、ポジティブに回答することで、子どもたちがそれぞれの見た目や考え方の違いについて、前向きにとらえることが出来るようになります。
性的な考え方の違いだけではなくて、得意不得意や好き嫌い、見た目の違いや文化の違いなどについても、同じことが言えます。
3歳後半から4歳前半の社会性の発達の回でもお話ししましたが、保育者や教育者、親などの身近な大人としましては、
私は、今回の記事を考える際に『差別はしない』ということを記事のねらいにしたかったのですが、
そこで、差別の反対語や対義語って何だろう?と思い、調べてみましたら、
平等とか公平とかとは、ちょっと違うかも、もう少し違う言葉がないかと思い、調べると、
差別の反対は尊敬か、なるほどなあって☺
でも、尊敬となると、保育のねらいとしては、ちょっと行き過ぎかなと思い、
『尊重』にいたしました☺
我ながら、いいところに収まったなあと、自己満足笑です。
まとめ
いかがだったでしょうか☺
久しぶりに探偵ナイトスクープの依頼を取り上げましたが、
依頼者の方は、
これは長年築いてきた、探偵ナイトスクープという番組の信頼と実績だと思いますが、
番組を見ていない方もおられるでしょうし、性的マイノリティの方以外にも、性格の偏りや発達障害のある子ども、外国籍の子どもなど、少数派の子どもに対して、周囲の大人はどのような支援をするのがいいのかがわかっていて、どこにいても同じように、適切な支援を受けられるようにすることが大切ではないでしょうか。
松本局長が、最後に言われたことは、そうとも限らないだろうなあと私は思います。残念ですが。。
※国では、海外に遅れて、性的マイノリティの差別禁止などの法制化が考えられていますが、トイレやお風呂の問題に矮小化され、とても残念に思います。しかし、番組を見て、子どもたちの方が頭のいい?!大人の方々よりも、とっくに先に進んでいて、依頼者の友人たちを見て、とても頼もしく感じました☺
最後まで【保育のねらい(尊重)】自分の体と性意識にズレがある子どもの支援とは?! 探偵ナイトスクープ名作回をお読みいただき、誠にありがとうございました☺
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〈困っている子どもの保育集 ここま〉
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