保育所改革

【保育のニュース】保育所保育士の基準の人数って足りている?

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保育所 保育所改革

各自治体や保育所の努力で保育士の配置を増やしている所もありますが、

あらためて国が定める保育士配置基準を確認していきたいと思います。

 

保育士配置基準

新人保育士の方は勉強されたばかりかもしれませんが、

児童福祉施設最低基準での保育所の場合、国の決まりでは、

保育士は、

0歳児    3人に1人
1,2歳児   6人に1人
3歳児    20人に1人
4歳児以上  30人に1人
(ただし保育士は最低2名以上配置)

でいいとなっています。

 

1人って、ワンオペ?!汗

 

一つ一つ、発達に基づいた保育が出来るのかまた、子育て支援や、保育の準備、片付けなど直接支援以外の仕事が出来るのかを検証する必要がありそうですが、

 

保育所の理想の体制を考える

【保育所の課題】子ども視点の保育所の理想の体制とは?
子どもの発達の視点から保育所の理想の体制を考えました。保育相談専門員や発達特性専門の職員が居ると理想的です。

 

それは一旦横に置くとしまして、

 

むしろ本当はそっちの問題を取り上げたいのですが、その前提に問題がありそうで、、😨

 

子どもの安全保育士の健康保育士の管理の視点で見ていこうと思います。

子どもの安全について

0歳児3人に1人の保育士

何もなければ保育は可能かなと思います

 

何もなければ、、

 

行動範囲も狭く、動きもゆっくり目なので、パーテーションなど周囲の安全確保の工夫は必要ですが、同時にみることは何度も言いますが、何もなければ可能かなと思います。

 

それでも、1人でということになりますと、余裕のある保育にはならないと思いますし、1人がおトイレ関係の支援やお着換え、けがをしそうになったら、あとの2人は放置ということになります。

 

なので、安全面をより完全にするためには、もう一人、大人の手が必要だと思います。

 

※発達的には泣いたり何かあったらすぐに対応するという、即時性が大切ですが、それは叶いません。

 

1,2歳児6人に1人の保育士

続きまして1,2歳児ですが、

子ども6人に1人の保育士ということですが、

これはとても不安があります。

歩けるようになってきますので、2歳児は行動範囲が広がります。

 

例えば、

1人の子どもが少し離れたところにテクテク歩いていくと、その時点で6人の安全を確保できなくなります。保育士は1人なので、単純に1人か残りの5人につくかを選ばないといけなくなりますので。

 

行動を制限して、狭い部屋にしたらどうなるのかというと、子ども同士の距離が近くなりますので、それもまたトラブルの原因になります。

 

また、子どもにとっては行動範囲が広がることで、興味や関心も広げていきますし、運動能力も上がっていきます。

 

なので、1,2歳児は1人の保育士では6人の子どもを完全に安全を確保するのがとても難しいということになります。

3歳児20人に1人の保育士

そして3歳児。

 

いきなり20人に1人の保育士でいいということになっています。

 

どういう根拠に基づいているのでしょうか、気になるところです。

 

これは全く2歳児と同じ理由で、完全に安全は確保出来ません。

 

毎日、運を天に任せる!といった感じです😨

 

発達の観点からもいろいろ言えそうですが、ここでは長くなるのでやめておきます苦笑

4歳児以上30人に1人の保育士

そして4歳児以上。

 

子ども30人に対して1人の保育士でいいということになっています。

 

ここでも2歳児と同じ問題がありますが、プラス4歳児と5歳児は大きく違うということがあらたに問題になってきます。

 

4歳児は成長発達の変化が大きく、大きな発達の課題もいくつかあり、個別の支援が必要な姿が見られます。

 

5歳児は比較的落ち着いた姿になっていきます。特に後半ですが。

 

でも、全員5歳児だとしても1人こけて軽い怪我などして手当をしていたり、何かしらのトラブルが起きたら、あとの29人は放置することになります。

 

そういう意味では、安全を保障出来るとは言えないと思います。

 

以上の理由で、今の保育士の体制の最低基準では、子どもの安全を確保するのが難しいということが言えると思います。

 

保育士の健康の観点から

各年齢の子どもたちを1人でみるということは、

保育士の身に何かあったら、どうしようもなくなるということになります。

 

例えば、

 

『おトイレに行きたい!』となった時、

 

子どもを全員放置するということになります。

 

それは子どもの安全上、出来ません。

 

なので、保育士は我慢をします。

 

私もしてきました。

 

そのことで、体調を崩したり、実際に膀胱炎になったりする保育士が出てきます。

 

また、トイレ以外にも急に体調が悪くなることは普通に起きます。

 

それでも我慢して、なんとか立ち上がりながら保育を続けるということになります。

 

そして、子どもたちは給食などの昼食をとりますが、保育士はその間も保育をしないといけませんので、昼食を取ることが不可能です。

 

いかんせん、1人なので汗

 

子どもが昼食を食べる場面は、重要な保育の時間にもなります。食べ方の支援もありますし、食べることに興味を持ってもらうとか楽しく食べるために気を配ります。

 

ここでたまに子どもと一緒に食べればいいじゃん!という方が居ますが、子どもの食事を支援しながらはとても難しいのです。

 

さっさと詰め込むように食べること自体も、体を壊しそうですし。

 

そしてこれも言っておかないといけませんが、子どもと食事を取ったからといって、その間は休憩時間に入れないでほしいと思います。

 

保育中で、仕事中なので、全く休めていないので汗

 

保育士の健康の観点から、

 

トイレに行けない、具合が悪くなっても我慢する、食事がとれない、休憩が取れない体制であるので、保育士の健康を維持できる体制ではない!ということが言えると思います。

 

保育士の管理

今の保育士の体制の基準では、

 

保育士の管理の点でも問題があります。

 

例えば、

 

不適切な保育をしていても、誰も見ていないということがあります。

 

保育士による虐待を防ぐには

【保育所の課題】現場責任者として、保育士による虐待を防ぐ方法って?
保育所保育士による虐待事件を受けて、虐待防止について書いてみました。虐待チェックリストも付けました。

 

 

子どもは見ていますが、不適切だと気付くことも難しいですし、状況を正しく説明することも難しい場合が多いでしょう。

 

保育はどの場面においても、複数でお互いを監視することも大切です。

 

それは、自分の保育を客観視してもらい、気になる点があれば指摘してもらえる状況で保育することが、スキルのアップにもなりますし、同時にお互いを監視することにもなります。

 

保育士同士は信頼関係があるのは大前提なんですが、出来るだけ問題が起きないようにするためでもあります。

 

誰も見ていないとなると、緊張感も維持できなくなったり、不適切な保育に自分自身が気づかないことにもなります。

 

これらの点から、

 

今の児童福祉施設最低基準の保育所の体制基準では、子どもの安全を保障することが難しいですし、保育士の健康も守れないですし、問題のある保育士をみつけたり、お互いのスキルアップを目指すことも難しいと思っています。

 


 

保育士の離職と負担が大きいのが問題

延長保育の定着など保育士の負担と離職が問題となっていて、国が問題と把握されているなら、今の最低基準の改正と今働いている保育士をもっと大切にしてほしいって思っています。

 

保育士の負担軽減、離職防止政策→国の保育補助者雇上強化事業

 

https://www.kantei.go.jp/jp/headline/taikijido/pdf/h28yosan_sankou3.pdf?code=130051

 

小手先の出来るだけお金をかけない方法を探るみたいな感じで、延長保育をつぎはぎのように時短労働者に頼ったりという、結局保育士にも子どもにとっても、あまりよくない制度じゃないかなって思います。

 

そして、子どもにとって延長保育は心身の負担が大きく、子どもの福祉というよりも、社会を回すための制度と言えるのではないでしょうか。

 

 

時短で働ける方が、働き方としては合っている方もいらっしゃると思いますが、それはプラスアルファで、より細やかな行き届いた保育を目指す園がそのような形で雇用できるといいんじゃないかなと思います。

 

国の障害のある子どもの保育のための加配制度

保育所によって違いがあって、自治体の制度にも左右されるところが大きいのですが、

例えば、

障害のある子ども2人に1人の加配保育士をおくということがあります。

 

子ども1人に対して1人の加配保育士ということもありますが、とても稀な自治体です。

 

また、障害のある子どものための加配といっても、常についているというわけでもないこともあります。

 

私が担当したケースですが、

『今まではついてもらっていたのですが、他の子も同時にみるようになりました』とか、

『今ではあまりついてもらわなくなっています』

など、保育所の事情によって加配保育士の使われ方は変わっていると思います。

 

子どもの成長発達など、子どもの利益を考えてのことならいいのですが、やむを得ずという場合はどうなのかなって思ったり。。

 

また、加配保育士は保護者の同意も必要ですので、同意が得られないと配置することは出来ません。

もし本当に加配が必要で保護者からの同意を得られない場合は、

 

子どもの将来にとって何が大切で何が今必要なのかを深く、長い時間かけて話し合いをする必要があります。

そのためにはより深い相談支援が出来る、子育て支援を専門にする役職が必要だと思います。

 

今、子育て支援のニーズがとても高まっていますので、子育て支援用に新たな資格を作る動きもあるようですね。

https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000851569.pdf

 

いずれにしても保育は準備と片付けをしながら行っていますし、そのためにも最低でも複数体制は必須でしょうし、一つのグループが20人、30人が適正なのかも考え直さないといけないと思います。

 

今の保育所の保育士配置基準は不十分なところが多々あり、改善の余地が多いと思っています😨
以前から保育現場では様々な問題が起きていて、ようやく少しずつ国に改正の動きが出始めました。
今後の動きを注視して見守りたいと思います。
最後まで【保育のニュース】保育所保育士の基準の人数って足りている?をお読みいただき、誠にありがとうございました。
もしご意見ご感想などございましたら、コメントで頂けますととても嬉しいです☺
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