保育所改革

【保育所の課題】不適切保育のニュースにみる、今の保育所の現状とは?!

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保育所改革

こんにちは☺

 

いつも子どものみかたブログをお読みいただき、誠にありがというございます!!

 

今回は、ある地域の園で起きました、不適切保育についての報道から、現状の保育所について考えてみました。

 

このケースは、この園の特別なことではなく、全国的に起きている問題なのではないでしょうか?

 

不適切保育の報道

これまでも何度もこのような報道はありましたが、第三者委員会による原因や背景の指摘まで、わかりやすく報道されていましたので、取り上げてみました。

認定こども園の不適切保育問題 保育士の数増やすよう求める報告書を提出 三重・桑名市(三重テレビ放送) - Yahoo!ニュース
三重県桑名市の認定こども園で不適切な保育が確認された問題で、桑名市が設置した第三者委員会は11日、市に対して独自の保育士配置基準を設け、保育士の数を増やすよう求める再発防止に関する報告書を提出しま

 

報道では、

『保育士が園児に給食を食べるよう約4時間にわたって強要するなど虐待が疑われる行為が複数確認されました。』

 

とあり、

『第三者委員会を立ち上げ、現地視察や園への聞き取りを行い、原因や再発防止策などについて検討を進めていました。』

 

その第三者委員会の報告がありますので、一部ご紹介いたします。

 

不適切保育等の再発防止に関する第三者委員会 報告書

報告書のリンクはこちらに貼っておきますので、よろしければ詳細をご確認ください☺

 

その中で、

本件事案が発生した原因・背景事情 という項目があります。

 

本件事案が発生した原因・背景事情

その内容は、、

本園において、児童数に対する保育士数は確保されているが、外国籍の児童発達の支援が必要な児童がクラスに在籍する場合、その大変さや関りの難しさから、保育における指導の範囲ではなく、乱暴な言動による保育になっていたことが考えられる。そうしたことが、子どもの人格を尊重しない発言や集団の中で、保育士の言うことを聞かない児童に気持ちを落ち着かせるために保育室の外へ出したり、腕や足を引っ張ったりする行為に繋がったものと考えられる。また、クラスの中での方針として、本来の時間を超えても給食を完食させることや、まった時間にトイレに行かせることがあった。これは、本園の中で、特に2歳児クラスでは、3歳に進級するクラスとして、給食の完食やトイレトレーニングの意識のもと、不適切な保育が行われる原因になったと考えられる。また、全体的に経験の浅い保育士が多いこと、正規職員とパート職員との関係性日頃からの情報共有の少なさも起因していると考えられる。

 

とあります。

この中で、支援の大変さや難しさから、乱暴な言動の保育になった、とあります。

スキルが不足していることや、指導されたり教わったりする機会が無いことを示しているのではないでしょうか。

 

また、

給食の完食や定時のトイレトレーニングなどで、不適切保育になるというのは、未だに前時代的な保育観に捕らわれていると考えられます。

保育士になる過程では、給食の完食や定時に必ずトイレに行かせることが大事というようなことは、習いませんので、個人的な経験や知識、あるいは慣習に基づいて保育をしていると思われます。

 

こちらも、正しい保育の実践のためのスキルを教える、先輩保育士や中堅の保育士が居ないことが問題の一つであると考えられます。

 

不適切保育の未然防止

不適切保育の未然防止としましては、、

園(運営法人)へのサポート体制の充実

行政側の責務としては、、

 

市の責務
市は日ごろから桑名市の子どもたちが健全に育つためにさまざまな施策を推進し、それを達成する責務がある。一般的には不適切保育の防止に関連する法案などの中には、児童福祉法や保育所保育士指針なども関連するが、桑名市においては、子ども・子育て支援法に基づく「桑名市子ども子育て支援事業計画」の第2期計画も関連する。この第2期計画の策定について、平成30年から平成31年にかけて市民のニーズ調査が行われた。そこに保育園・幼稚園経営者から桑名市への要望として、気になる様子の園児に対して「市の手厚い支援」や「市の窓口から保護者への積極的な事業などの説明」などが挙げられ、このことは、すでにその時点で園の関係者がこれらを課題と認識していたことがうかがえる。また、この計画の重点施策である「地域全体で子どもと保護者を見守り支える」ことに市は当然十分な役割を果たすべきである。このことを市は十分に認識し、必要な役割を果たすべきである。つまり市は公立・私立の隔てなく、園に対して、その適切な運営・保育の実践のために、園との信頼関係に基づき、サポート体制を充実させる責務があるといえる。

とあります。

 

市民からの要望は以前からあったけど、市側の対応が遅れていたと考えられます😓

これは、日頃の市職員の業務量や優先順位などが影響すると考えられ、市の予算配分やトップや幹部の意向も含む問題なのでしょうね😨

 

 

市に対する具体的提言

第三者委員会の報告の中で、具体的な提言としましては、、

 

1 地方公共団体が目指すべき保育の実現のウの項目では、

市独自の保育士配置基準の設定
保育の実践現場では、保育士1人が担当する子どもの数が多く全国的にみても、このことが保育士等の余裕のなさにつながり、子どもの権利を保障する丁寧な保育を難しくさせていることが従来から指摘されている。本委員会によるヒアリング調査でも、前園長をはじめ、複数の保育士からの発言で現状の職員配置では丁寧な対応をすることが難しく、子どもの安全を守ることを優先するあまり、結果として子どもの行動を制限することにつながったとする発言が複数認められた。現在の国の定める保育士配置基準は、保育士1人あたりにつき、0歳児3人、1-2歳児6人、3歳児20人、4-5歳児30人である。この基準では、不適切保育を防止するという観点はもとより、災害時や防犯の観点からも子どもの安心・安全を守ることに困難が予想される。そこで本委員会では、市独自の保育士配置基準を設定し、保育現場に子どもの保育
を行う保育士等を増やすことを提案する。具体的には、定員に応じて保育園等あたり1人~2人の正規職員を配置できるよう市の単独事業として実施することを提言する。

 

とあります。

 

今の国の保育士配置基準では、安全は確保出来ないとはっきり明記されています😓

 

また、

現状の職員配置では丁寧な対応をすることが難しく、子どもの安全を守ることを優先するあまり、結果として子どもの行動を制限することにつながった、とあり、全国的にこのようなことが起きているのではないでしょうか?1

 

このことをこども家庭庁はどのように受けとめるのでしょうか?!

 

今すぐ子どもの安全を守るため、報道機関も大きく取り上げ、社会で共有するべき事案だと考えられますが、いかがでしょうか😓

 

 

公立優先の考え方の改め

第三者委員会の指摘の中で、公立園優先の改めというのがあります。

 

民間業者の運営する保育施設の管理が甘くなるというのは、運営費の不正受給や委託費を保育以外に流用する問題で、チラッと聞くことがありましたが、具体的に聞いたのはこれが初めてかもしれません。

 

報告では、、

市は、令和5年3月14日に在園児の保護者から相談を受けた後、同月16日に園を訪問して調査を依頼している。ここでの市の対応は、本園に調査を依頼したにとどまり、「指導」や「監査」といった位置付けで行われることはなかった。この点につき、当時、市としては、私立保育園の許認可権者は県であるとの認識で、市が事業課として主体的に取り組まなければならないという認識は乏しかったといえる。市は、公立(市立)保育園の設置者である一方、私立を含む保育園の監査の実施主体でもある。にもかかわらず、市は上記のとおり事業課として対応する意識が乏しく、「私立の園だから、まずは、対応は園に委ねるべき」という意識が根底にあったことは否定できない。また、市においては、私立の保育園、とりわけ本園に対する遠慮の意識があったのではないかとの指摘も保護者等からなされている。すなわち、本園は市の中心部に近く立地に優れているほか、定員数も多いため、保育を必要とする世帯の重要な受け皿としての側面があり、市としては本園に対して厳しい指導等を行いにくい立場にあったとの指
摘である。
このような問題も、全国各地の私立園にあると想像出来ます。
多くの子どもたちを引き受けてもらっているから、民間園を指導しにくいという、、
このようなことが、不適切保育が改善されることなく続いてしまう原因の一つになっていると考えられます😨

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

 

このブログでも不適切保育や保育士配置基準については、過去に何度も取り上げてきましたが、

 

 

〈保育士はなぜ不適切な保育をしてしまうのか?!〉

【保育のニュース】保育士はなぜ不適切な保育をしてしまうのか?!
度々ニュースになります、不適切な保育。その原因を私なりに考えてみました。

 

 

今回の第三者委員会の報告は、不適切な保育防止のマニュアルとして、どこの自治体でも使えそうに感じました☺

 

ここで取り上げました以外のことでは、

 

職員の研修等の教育
保育に精通する園長の配置
労働環境の改善
第三者評価
情報開示

なども提言されています。

 

これらのことも、全国の保育施設共通の課題ではないでしょうか?!

 

労働環境の改善については、このくらいでいいだろうと曖昧にせず、具体的に根拠を持って、保育士にとってどのような働き方が、保育士自身が活き活きと、やりがいを持って、健康で長く働けるのか、また、子どもの安全だけではなく、子どもの発達にとって、どのような保育士配置基準が好ましいのかを、考えていく必要があると思います。

 

 

〈サービス残業についてのこども家庭庁への意見、要望について〉

【保育所の課題】サービス残業についてのこども家庭庁への意見、要望について
保育所でのサービス残業(無報酬についての労働)に実態について、こども家庭庁に意見を送ったことについて、ご報告いたします。

 

 

 

最後まで【保育所の課題】不適切保育のニュースにみる、今の保育所の現状とは?!をお読みいただき、誠にありがとうございました☺

もし、ご意見ご感想などございましたら、コメントで頂けますと、とても嬉しいです!!

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