こんにちは☺
今回のテーマはこども家庭庁が不適切な保育に関する調査結果を受けて、対策として出した案の保育現場の負担軽減策は、根本的な解決になるのか?!を考えてみたいと思います。
事務連絡としまして、こども家庭庁から地域の自治体などに周知されたのが、今年(令和5年)の5月になりますので、それから4か月ほどが経ちましたが、みなさんの保育現場は負担が軽減した実感はありますでしょうか?!
(こども家庭庁事務連絡 虐待等の未然防止に向けた保育現場の負担軽減と巡回支援の強化について)
今の児童福祉施設最低基準から、保育体制を確認して、それを踏まえて今回の負担軽減策を落とし込むとどうなるのかを考えてみたいと思います!
不適切な保育等に関する調査結果
こども家庭庁は、『保育所等における虐待等の不適切な保育への対応等に関する実態調査』から、文科省と連名でガイドラインを作成し、対応しました。
文科省と連名で?!
これは今までを振り返ると、結構な事件ですよね😓
私はこれを幼保一元化の布石の一つだと思ったりしますが、どうなのでしょうか。
そのガイドラインの中で、不適切な保育の定義が見直され、虐待とイコールになりました。
私はこの定義の変更は、実質国が求める保育の質のレベルを下げたということだと考えています。
と国は考えていることを示しているのではないでしょうか😨
不適切な保育の件数が思ったよりも多く、これを問題視されると困る!何とか数字だけでも減らさなければ!と考えた結果の策ではないでしょうか。
こども家庭庁の5月13日の会見では、自治体へのアンケートで不適切な保育の件数を話されていますが、(事実を確認したのは914件)自治体が通報などで把握している件数よりも大事なのは、保育現場へのアンケートの結果ではないでしょうか。
これでもわかっているだけでという条件が付きます。
その対策として、3つの案を提示されています。
1つは、
もうひとつは、
さらに、
という3つです。
これらを実行することで、
と話されていました。
これで、はたしてこどもたちの安全と保護者の安心は確保されますでしょうか。
現在の保育体制と業務量
国は児童福祉法の規定に基き、児童福祉施設最低基準を次のように定めています☺
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
第五章保育所
(職員)
保育所には、保育士、嘱託医及び調理員を置かなければならない。ただし、調理業務の全部を委託する施設にあつては、調理員を置かないことができる。
保育士の数は、乳児おおむね三人につき一人以上、満一歳以上満三歳に満たない幼児おおむね六人につき一人以上、満三歳以上満四歳に満たない幼児おおむね二十人につき一人以上、満四歳以上の幼児おおむね三十人につき一人以上とする。ただし、保育所一につき二人を下ることはできない。
となっています。
あらためて見ると、凄い基準ですね😓
保育士と嘱託医と調理員だけで、保育所を運営することが出来るとなっています😨
ちょっと心許ないと感じるのは、私だけでしょうか😓
それに、
基本、嘱託医は常駐していませんし、調理員も調理以外の業務はしないことになっています。
公立の場合は、自治体の基準でどこの保育所にも配置されているとは思いますが、それ以外の保育施設は、常駐する必要はないし、どのような人物でもなれるということになっています。
また、事務作業も、日誌や指導案、ケース記録、出欠確認などの保育関係に加え、保護者や関係機関とのやり取り、毎年のように保険などの手続き関係もあり、かなりの作業量があります。
個々の子どものニーズに合った支援や保育を行うためにも重要な要素になる、子育て支援を適切に行う時間を作るためにも、事務員の配置は必要だと思われます。
それに加えて、一番重要な保育士の配置ですが、子ども主体の保育が実現可能な体制にしないといけないですね😓
保育以外の業務では事務以外にも、清掃や片付け、消毒、保育準備や打ち合わせ、振り返り、全体会議、子育て支援、行政や関連機関との連絡連携などなど、多くの業務があります。
例えば、
7時頃から19時頃まで開所するとしまして、最後の数時間は延長保育もしています。
それを補助の保育者で補うとしても、保育以外の仕事時間はどこに当てはまるのでしょうか?
それを今回の国の負担軽減策で解消できるのかを検証してみたいと思います!
〈子ども目線の理想の保育体制とは?!〉
国の負担軽減策は根本解決になる?!
こども家庭庁の虐待等の未然防止に向けた保育現場の負担軽減と巡回支援の強化についての内容を確認していきましょう☺
1.保育士等の負担軽減に資する、運用上で見直しや工夫が考えられる事項について
保育士等の負担軽減に資する取組のうち、財政負担を伴わず、運用の見直しや工夫により比較的迅速に改善が考えられる事項としては、以下の内容等が考えられることから、園の運営や園に対する助言・指導にあたって参考にされたい。
〇 保育所保育指針や幼保連携型認定こども園教育・保育要領、それらの解説においては、①年・数か月単位の期・月などの長期的な指導計画と、②それを基に更にこどもの生活に即した週・日等の短期的な指導計画の2種類の計画を作成するよう示しているところ。
〇 これらの指導計画について、例えば、長期的な指導計画については年単位と期単位等のものを、短期的な指導計画については月単位、週単位及び日単位等のものをすべて個別に作成しなければならないと解釈しているケースが見受けられるが、期間の範囲は例示であり、あくまで①長期と②短期の2種類の指導計画の作成を求めるものである。そのため、長期と短期の指導計画を作成するに当たっての期間の範囲については、各園の実情に応じ、こどもの実態等を踏まえて創意工夫を図りながら作成いただくものである旨留意いただきたい。
〇 また、各自治体等においても、保育所等への指導等を行うに際し、この点について留意いただきたい。
〇 保育現場においては、種類の異なる複数の資料に重複する内容が多く含まれている場合があることから、記載内容が重複している項目を洗い出し、可能なものは同一の様式とする等、各園の実情に応じた見直しを行っていただきたい。なお、「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」(令和3年3月)においては、最低限記載することが望ましい項目を整理し、児童票等の参考様式を示しているので参考にされたい。
〇 また、記録の管理等の効率化にあたっては、ICT機器の活用も有効であるので、「保育所等におけるICT化推進等事業」の積極的な活用も検討されたい。
〇 ゆとりある休憩の確保や休憩取得によるリフレッシュを図ることができるよう、保育を行う上で本当に必要な業務を精選し、会議を短時間で効果的なものとする工夫や業務の配分の「ムラ」の改善等、働き方の見直しに取り組んでいただきたい。
〇 行事については、こどもの日常の生活に変化と潤いがもてるよう、日々の保育の流れに配慮した上で、ねらいと内容を考えて実施することが重要である。恒常的に企画や準備のための残業や持ち帰り作業等が生じている場合等には、各園の実情やねらいに照らし、準備等の業務の改善に取り組んでいただきたい。
休憩の取得に言及していて、保育士が休憩を取れていない問題を十分に把握してるようです😨
なのに、具体的にこの業務は必要ないというところまでは言えないということのようですので、負担が軽くなったと感じるまでは足りないのではないでしょうか。
〇 「虐待等」を未然に防ぐためには、保育現場の日々の保育実践における不安等にも寄り添えるような支援の取組を拡げていくことも重要である。
〇 そのため、「若手保育士や保育事業者等への巡回支援事業」の活用により、より良い保育の認識を保育現場と確認・共有し、各園の保育の振り返りを支援する等、保育事業者に対する巡回支援による、組織的な保育士の不安感等の軽減に向けた体制づくり等に役立てることも可能であると考えられることから、積極的な活用を検討されたい。
なお、「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」(令和3年3月)においては、保育士等の業務内容のタイムマネジメントや、業務の配分の偏り等の「ムラ」のリストアップといったアプローチの方法を例示しているので参考にされたい。
〇 なお、保育所等における日々の保育実践の改善を図るためには、「幼児教育推進体制を活用した地域の幼児教育の質向上強化事業」により配置されている「幼児教育アドバイザー等」との積極的な連携を図ることも有効であることから、事業の実施にあたって留意されたい。
保育の積み重ねから、日々子どもや保育を流れで把握している人との相談や振り返りが必要なのであって、場当たり的な形だけの相談や振り返りになり、有効性に疑問がありますし、その巡回支援事業を使うにしても、いつそれを行うのでしょうか。それを具体的に示さないと、逆に負担が増えるだけになる可能性が高いと思います😓
〇 日々の保育について、定期的に振り返りを行い、こどもに対する接し方が適切であったか、より望ましい対応はあったのか等、保育士・保育教諭同士で率直に話すことができる場を設ける等により、全職員がこどもの人権・人格を尊重する保育を行うための意識を共有することも重要な取組である。
〇 こうしたことから、「保育所における自己評価ガイドライン(2020 年改訂版)」を踏まえつつ、保育内容等に関する自己評価を行うことが重要である。その際、保育内容等の評価に当たっては、「保育士等の職員個人による自己評価」とそれを踏まえた「保育所が組織として実施する自己評価」が基本となる。
〇 また、これらの自己評価の取組に加え、より多様な視点を取り入れる観点から、第三者評価を活用することが重要である。より客観的な評価につながるものであり、第三者評価を受ける前の自己評価に職員一人一人が主体的に参画することで、職員の意識改革と協働性が高められることや、第三者評価結果を保護者へ報告することによって協働体制を構築すること等の意義が認められる。第三者評価、指導監査それぞれに新たな気付きがあり、現状や課題を把握する上で補い合っているといった指摘もなされている。
〇 上記の取組を通じて、保育の質の向上に向けて、様々な立場の人が保育内容等やそれにつながる取組に関与・参画する機会を互いに関連付けながら展開し、保育所等における取組全体の充実を図っていくことが重要である。
この3.保育内容の評価の活用については、負担軽減というよりは、逆に負担増という内容で、さらに保育士に要求している項目になっています😓
もし、これらが重要で、不適切な保育を減らすために必要だということなら、ここでの話は負担軽減が必要というのも問題になっていますので、そのための時間を確保することが先決ではないでしょうか。
4.幼稚園等について
(略)
幼稚園についても、保育所と同じような対応が求められているということのようです。
こども家庭庁が文科省と連名でも幼稚園に言及するようになったというのは、個人的には感慨深いものがありますが、厚労省時代のような壁は無くなっていくということのようですね。
今後必要なこと
国の保育現場の負担軽減策を見てきましたが、財政負担を伴わずということが前提ですので、事務を重要なものに絞って減らしたり、今ある制度を活用したり、もっと保育士1人1人が頑張ることで、不適切な保育を防止したりということが限界かなと思います。
それを踏まえて私が考えます、保育現場の負担軽減策は、必要な予算を確保した上で、
この2つは出来るだけ早いうちに実現して頂きたいですね!
他には、実際にされている園もあるかもしれませんが、保育に直接は関係のない園内の清掃や片付けのためのサポート職員を入れたり、ということも考えられますでしょうか。
さらに今後、保育を充実させるためには、子育て支援を専門にする相談支援員やインクルーシブの実現のために、特に気になる子どもを支援する発達支援員なども必要ではないでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか☺
今回は、財政負担を伴わずということでしたので、
当然限界があったと思われます😓
『保育所等における虐待等の不適切な保育への対応等に関する実態調査』の結果が出ましたので、こども家庭庁としては、とりあえずそれに対して形だけでも対応しなければいけなかったということなのでしょうか😨
ですので、今回の国の保育現場の負担軽減策に対する私の評価は、残業の解消や休憩が毎日取れたり、持ち帰りが無くせるなどまでには至らず、
もし、国の負担軽減策を実行して、この数か月で負担がかなり軽減した!という方がおられましたら、コメントで頂けるととても嬉しです☺
最後まで【保育のニュース】こども家庭庁の保育現場の負担軽減策は、本当に負担軽減になるのか?!をお読みいただきまして、誠にありがとうございました!!
もしご意見、ご感想などございましたら、気軽にコメントで頂けますと、今後のモチベーションになり、とても嬉しいです☺
〈子どもが保育所などで困らないために ここま〉
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