保育士のために

【保育のねらい(5歳④)】一番に興味を持ったり、中くらいがわかるようになる5歳の社会性の発達を活かした保育とは?!後編

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5歳の社会性 保育士のために

こんにちは☺ いつも子どものみかたブログをお読みいただき、ありがとうございます!

 

今回も、5歳の発達シリーズ最終回の後編で、社会性の発達から保育を考えたいと思います☺

年中から年長にかけて、大きく成長する姿を見せる5歳児の社会性ですが、

もし、前編をまだお読みでない方も、後編の後でも結構ですので、ぜひご覧ください。

 

〈5歳の社会性の発達 前編〉

【保育のねらい(5歳④)】団体行動を取れるようになるのはいつ?!ジャンケンを理解するのは?!5歳の社会性の発達を活かした保育とは?!前編
5歳児の社会性の発達から、保育の内容を考えました。5歳になると、周囲の状況を理解して適切な行動を取れるようになっていきます。それらの5歳の社会性の発達を活かした保育とはどのようなものなのでしょうか?

 

〈参考:4歳後半の社会性の発達〉

【保育のねらい(4歳後半④)】年中児はなぜわがままに見える?!4歳後半の社会性編
4歳後半の子どもの社会性について、まとめました。一見すると、わがままにも見えるような姿がありますが、その背景は何なのでしょうか?1

 

それでは早速、5歳の社会性の発達を活かした保育を考えてみましょう!

 

社会性の発達から考えられる保育

前編の続きになりますが、まず初めに

今、ここ、自分で、を媒介に、活動的調整を重ねる

という社会性の発達を活かした保育の内容は、

 

「今、ここ、自分でを媒介に、活動的調整を重ねる」という表現は少し複雑ですが、おそらく子供が現在の状況を理解し、自分で物事を行い、積極的に調整する能力について言及していると考えられます。

**時間の理解と適切なタイミング:**
5歳の子供は、日常生活の中で時間の概念を理解し、行動を適切なタイミングで調整できるようになります。たとえば、朝食、昼食、夕食などの基本的な活動の流れや順序を把握し、自分で行動することが期待されます。そのため、活動の流れを意識した保育が可能になります。
**空間の認識と活動的な参加:**
子供は自分がいる空間や環境を理解し、積極的にその中で活動します。例えば、部屋での遊びや学習活動、外での遊びなど、異なる場所や状況において自分主導で行動できるようになります。
**自己のニーズや感情の認識と調整:**
5歳になると、子供は自分の感情やニーズを理解し、それに基づいて行動を調整することができるようになります。他の子供たちとの関わりや成人との対話を通じて、自分や他者の感情に敏感になります。
**自己適応能力の向上:**
現在の状況に応じて柔軟に対応し、新しい状況にも適応できるようになります。例えば、新しい遊びや学習課題に取り組む際に、自分で問題解決し、新しいスキルを身につけることが期待されます。チャレンジできる保育が有効になります。
**コミュニケーションの向上:**
5歳の子供は言葉の発達が進み、他者とのコミュニケーションがより豊かになります。感情や考えを適切に表現し、他の子供たちと協力して活動することが増えます。
これらの特徴は、個々の子供には異なるペースで発展するものであり、一般的な傾向を示しています。子供の発達は環境や家庭のサポートなどにも大きく影響されるため、適切なサポートと理解が重要です。

 

次に、
一番ということに関心を持ち始め、一番うれしいこと、一番悲しいことなど方向性だけを示した質問に、経験をもとにした自己限定をする

という社会性の発達を活かした保育の内容は、

 

5歳の子供が「一番」という概念に関心を持ち、自己限定をすることは、感情や経験の理解が深まり、自己認識が進んでいるサインです。

**一番うれしいことや好みの表現:**
5歳の子供は、自分が何に喜びや興奮を感じるかを理解し、その感情を言葉で表現することができます。例えば、好きな遊びや食べ物、友達との遊びが一番楽しい瞬間として挙げることが出来るようになります。
**一番悲しいことや嫌いなものへの反応:**
同様に、子供は自分が何に対して嫌悪感や悲しみを感じるかを理解し、その感情を伝えます。例えば、嫌いな食べ物や、友達との対立が一番つらい出来事として挙げることが出来ます。
**自己の好みや個性の表出:**
子供は、自分の好みや個性を自覚し、それを表現することがあります。好きな色、キャラクター、遊び方などに対する好みが顕著になります。子供の好みを活かして、モチベーションを上げる保育が可能です。
**自分と他者との比較:**
5歳の子供は、他の子供や大人と自分を比較することが増え、自分の優れた点や得意なことを強調することがあります。例えば、「自分は一番速い」とか「一番高いところに登れる」といった言葉が出てくることがあります。そのことから、より正しい自己知覚が進みます。
これらの特徴は、子供が感情や好みを自覚し、それを表現する段階を示しています。家庭や環境のサポートを通じて、子供が自分自身を理解し、他者との関わりの中で自己を発展させることが重要です。保育者としましては、子供が安心して感情を表現できる環境を提供し、子供の感情に理解を示すようにしましょう。

 

次に、

ちょっと好き、中くらい大きいなど、真ん中がわかり始める

という社会性の発達を活かした保育の内容は、

 

5歳の子供の発達において、感情表現や物事の理解が進み、個々の好みや嗜好がはっきりと形成される時期です。

**感情表現の発達:** 5歳の子供は感情を豊かに表現できるようになります。喜怒哀楽など、様々な感情を理解し、適切に表現することができます。友情や協力の概念も理解し始め、仲間との関係が重要になります。
**物事の好みや嗜好の形成:** 5歳の子供は、特定の活動や遊び、食べ物などに対して明確な好みを持つようになります。これは、個々の性格や興味の幅が広がっていく過程でもあります。
**社会的なスキルの向上:** 子供は他の子供たちとの相互作用を通じて、協力したり競ったりすることができます。保育者としては、友達や仲間と、チームでの活動を支援することが大切です。
**言語の発達:** 言語能力は飛躍的に向上します。豊かな語彙を持ち、文法的な構造を理解するようになります。物事を理解し、曖昧さや複雑なアイディアを伝える能力を保育で活かせるようになります。
**基本的な数学的概念の理解:** 基本的な数学的概念やパターンの認識が進みます。例えば、シンプルな数の比較や順序づけ、基本的な数学的な問題の解決が可能になります。
**自己認識の向上:** 自分の身体や感情、能力に対する理解が深まります。自分と他者との違い共通点を理解することが進み、自己知覚に繋がっていきます
5歳の子供は好奇心旺盛で、様々な経験を通して成長していきます。保育者としましては、子供たちが自分らしさを発見し、興味を追求できる環境を提供することが重要です。

 

次に、

過去、現在、未来の中では、未来を選ぶことが多くなる

という社会性の発達を活かした保育の内容は、

 

5歳の子供の社会性の発達において、過去、現在、未来の概念に関する理解が深まります。

**時間の理解:** 5歳になると、子供は過去、現在、未来といった時間の概念を理解し始めます。これは、日常の出来事や活動において、過去の経験や未来の期待を考えることができるようになることを指します。保育では、一年を振り返ったり、次年度への期待などを話し合う取り組みが可能になります。
**未来への選択と計画:** 5歳の子供は、自分の行動が将来にどのように影響するか理解し、未来に向けて選択や計画を立てることができるようになります。例えば、将来のイベントや予定を考慮して行動することが増えます。保育では、予定表などを用意して、自立的に行動することを促す取り組みが可能です。見通しが立つことで、思い通りにならない時にも、気持ちの調整をすることが可能になってきます。
**将来の期待と夢:** 5歳の子供は将来に対する期待や夢を持ち始めます。職業や興味を通して、将来の自分を想像し、そのために努力することが増えます。これは自己認識の一環とも結びついています。
**協力と計画の発展:** 未来を考慮することで、他者との協力や計画の立案が進みます。グループでの活動やプロジェクトに参加し、将来の目標に向けて共同で努力することが増えます。
**過去の経験からの学び:** 過去の経験から学び、それを未来に活かすことができるようになります。失敗や成功を通じて得た経験を元に、将来の行動や選択を考えることができます。そのため、自分の力がどのくらいなのか、自己知覚が進むため、失敗や間違いを非難しすぎて、自信や意欲が低下しないように注意が必要です。
この時期の子供は、将来への理解が深まり、それに基づいて行動する能力が発展しています。保育者としましては、子供たちが自分の将来について思考し、それに基づいたポジティブな行動や計画をサポートすることが重要です。

 

次に、

あのねえ、ええとね、それでねなどと、たどたどしい文脈をつくって話そうとする

という社会性の発達を活かした保育の内容は、

 

5歳の子供の言語発達において、たどたどしい表現や一時的な言葉の迷いが見られることがあります。これは、言葉の使い方や文脈の理解が進む過程で起こるものです。

**たどたどしい表現:** 5歳の子供はまだ言葉のスキルが完璧ではなく、時折言葉に詰まったり、一時的な迷いが見られることがあります。それでも、コミュニケーションの一環として、自分の思いや考えを表現しようとする姿勢が強まります。
**自分の経験を共有:** 「あのねえ」「ええとね」などの表現は、話を進めるうえでのつなぎや、相手に注意を引くための手段として使用されることがあります。子供は自分の経験や考えを伝えようとする中で、こうしたフレーズを使うことが増えます。
**相手への配慮:** 子供は自分の話を相手に理解してもらいたいという気持ちが強まり、たどたどしい表現や補足的な言葉を使って、相手とのコミュニケーションを深めようとします。保育者としましては、気持ちや時間に余裕をもち、たどたどしさが残りますが、一生懸命伝えようとする5歳の子供の主張をしっかり受け止めることが大切です。
**言語の理解力の向上:** この時期には、言語の理解力が向上しています。言葉の選び方や文脈を理解し、それを使って自分の思いを伝える努力をすることを活かした保育が大切です。一日の振り返りや感想、理由などの簡単な質問をすることで、言葉で気持ちを伝えたり、自己主張が出来る機会を作るようにしましょう。
**積極的なコミュニケーション:** たどたどしい表現でも、子供は積極的にコミュニケーションを取ろうとします。相手との関わりを通じて、言語のスキルを発展させ、自分の意思を伝える力を養います。
保育者としましては、子供の表現力や言語スキルを尊重し、積極的にコミュニケーションを取ることで、子供たちが自信を持ち、言語の発達をサポートすることが重要です。

 

次に、

語彙は2000語を超え、話し言葉の文の長さは平均5語になり、複文が増えてくる

という社会性の発達を活かした保育の内容は、

 

**語彙の拡充:** 5歳になると、子供の語彙は2000語以上に達することがあります。これにより、子供は様々な単語を使い分け、豊かな表現力を身につけることができます。保育では、個人差には十分に注意が必要ですが、しりとりや『赤いものと言えば?』というような連想ゲームなど、言葉遊びが可能になってきます。
**話し言葉の文の長さの増加:** 話し言葉の文の長さが平均5語になると、子供はより複雑なアイディアや情報を一つの文で表現し始めます。これにより、単語の組み合わせや文構造の理解が進みます。
**複文の増加:** 5歳の子供は複数のアイディアや情報を含む複文を使うことが増えます。これは、物事の関連性や因果関係を理解し、それを他者に伝えるためのスキルが向上していることを示します。
**物語の構造の理解:** この時期の子供は、物語の構造や要素を理解し始めます。過去、現在、未来の時間概念を含む物語を構築し、他者に語ることができるようになります。
**他者との対話の深化:** 子供は他者との対話において、より複雑で具体的な情報を共有するようになります。感情や考えを言葉で表現し、相手とのコミュニケーションが深化します。
この時期の言語発達は非常に重要であり、これが将来の学習やコミュニケーションの基盤となります。保育者としましては、子供が興味を持ちやすいテーマや活動を通じて、語彙や文構造の発展を促進するサポートを提供することが重要です。

 

最後に、

一度の記憶量は4つ、有意味記憶より無意味記憶の方がよい 分析的より全体的把握であり、共感覚がみられる 場面依存性からは脱し始める

という社会性の発達を活かした保育の内容は、

 

**一度の記憶量が4つ:** 5歳の子供は、一度に覚えることができる情報の量が増加しています。これは、記憶力や認知機能が向上しており、学習や経験を通じて新しい情報を効果的に処理できるようになっていることを示しています。
**無意味記憶の優位性:** 子供が無意味な情報を有意味な情報よりも優先的に覚える傾向が見られることがあります。これは好奇心の向上や新しい経験を積極的に追求する特徴であり、学びの好奇心が高まっていることを示唆します。
**全体的な把握と分析的な思考:** 5歳の子供は、物事を全体的に把握する能力が向上しています。同時に、分析的な思考も発展しており、物事を細かい部分に分解して理解することができます。これにより、物事の複雑な構造や関係性を理解しやすくなります。
**共覚感の発達:** この時期には、感覚を組み合わせた共感覚が見られることがあります。例えば、触覚と視覚、聴覚と味覚などの組み合わせにより、感覚的な経験が豊かになり、それが学びや理解に寄与します。音を聴くと色が見えるという「色聴」や、文字を見ると、そこにないはずの色が見える「色字」が代表的で、「痛みを感じると色が見える」などもあります。
**場面依存性からの脱却:** 5歳の子供は、特定の場面や状況に依存することなく、状況に柔軟に対応する能力が向上しています。これにより、異なる環境や状況での行動や思考がより柔軟に臨機応変に展開できるようになります。
これらの特徴は、子供が学びや経験を通じて多様な能力を発展させている様子を示しています。保育者としましては、子供たちの好奇心や興味を尊重し、さまざまな学びの機会を提供することが重要です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか☺

 

個人差には十分に注意が必要ですが、5歳の社会性の発達は、とても高度で繊細な姿が見られて、頼もしい限りですね!

私が特に気になる、5歳の社会性の発達は、

1番を意識したり、中くらいがわかるようになったりというところでしょうか。

過去の経験を活かせるようになり、自分自身はどんな人間なのかという、自己知覚が進むことにも繋がります。

あとはちょっと余談になりますが、

『あのねえ』とか『ええとねえ』って、某元横綱の子ども時代の映像が思い出されるのは私だけ?!でしょうか笑

すみません、余談でした😓

話を元に戻しまして、このような姿は、頭の中で思考をめぐらして、適切な言葉を探していると考えられますので、支援をする側の大人は余裕をもって、5歳の子どもの言葉を待ち、しっかりと主張したり、伝えたり出来るようにすることが大切です。

大人の手はかからなくなる5歳児ですが、手をかける必要がなくなるということはなくて、発達的にはまだまだ支援が必要な時期です!

高度な発達の姿が見られる分、保育者にも高度な保育を用意する必要があり、4歳までと比べましても、知識や技術もそれなりに要求されるようになります。

 

遊びの中でも、それぞれの子どもたちが『遊び込む』ためには、子どもたちが自ら深く調べたり、研究したり、試行錯誤や協力などが出来る設定や準備が必要になります。

そのためにはどうしても保育体制がネックになりますね。。

個々の子どもの興味に合わせた保育をしようとすると、例えば1つの事に疑問を持ち、子どもが調べたい!となった場合、図鑑やネットで調べたりはまだ可能ですが、その先の、関係機関や専門家に連絡をしたりまで、お付き合い笑できることが理想ですね。

 

5歳児になりますと、自立的に行動や遊びが出来てしまったりしますので、30人ほどもいますと、安全面からもどうしても見守りや子どもにお任せになりがちですので、せっかくの個々の社会性の発達が十分に活かせない可能性があります。

そうなってしまうのがとても残念ですし、子どもの将来にも影響していると思うと、申し訳ないという気持ちがあります。

 

〈子どもの発達のニーズからの理想の保育体制とは?!〉

【保育所の課題】子ども視点の保育所の理想の体制とは?
子どもの発達の視点から保育所の理想の体制を考えました。保育相談専門員や発達特性専門の職員が居ると理想的です。

 


 

最後まで【保育のねらい(5歳④)】一番に興味を持ったり、中くらいがわかるようになる5歳の社会性の発達を活かした保育とは?!後編をお読みいただき、ありがとうございました☺

もし、ご意見ご感想などございましたら、お気軽に下記のコメント欄からよろしくお願いいたします。今後の意欲になり、とても嬉しいです☺

 

 

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