保育所改革

【保育所改革】保育所保育指針と保育士配置基準の整合性はある?!

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保育所改革

こんにちは☺ 子どもの正しい見方を考えて、子どもの味方になることを目的にしたブログ、子どものみかたブログです!

 

今回は、保育所保育指針は保育士配置基準に沿ったものなのかについて考えてみたいと思います!

 

まず、保育所保育指針の内容を実践する前提となる、現在の保育士配置基準を確認してみようと思います。

 

保育士配置基準

これまで国が定めていた、保育士1人で見られる子どもの人数は、

 

0歳児3人
1、2歳児6人
3歳児20人
4歳以上30人

となっていました。

 

75年以上改正されてこなかったわけですが、2024年度から、3歳児を15人、4歳以上を25人に改正されました。また、2025年1歳児を5人にするとされています。

この度の改正は、経過措置が取られていますが、しかし期限が未定となっています。

それはもはや経過措置とは言えないような、、

実際2割程度の保育所が、新基準に満たない保育体制で保育をされているようです。

 

そもそも、この新基準、誰の意見なのでしょうか?!

 

こども家庭庁大臣?官僚?保育の専門家?現場の保育士?保護者?

 

何を根拠に、保育の基本となる重要な配置基準について、何人に1人などと簡単に言っているのでしょうね。

私の想像ですが、財務省の顔色を伺いながら、現場からの要求もあるし、この辺が妥当かな?!ということで、官僚だけで決めた基準のように思えますが、、

そこに保育の専門家は不在ですし、意見も存在しないようです!

 

こういう大事な保育の根幹をなす制度に、意見を言わない研究者や専門家って、、

誰が何を根拠に言っているのか明らかにしないと、今後に繋がりませんし、本当は子どものために何人グループが良くて、保育士は何人必要なのかという、理想に近づけるためにも、根拠を示すことが大切だと思います。

単に子どもを見るのではなく、保育のためにはどうなのかという視点が必要ではないでしょうか。

 

そこで、保育所保育指針との整合性が問題となってきます!

 

〈参考:保育士配置基準が高い街ってある?!〉

【保育のニュース】保育士の配置基準が高い街は本当にある?
保育士の配置基準が高く、子どもや保育士とってメリットがある地域はあるのかを考えました。

 

 

保育所保育指針の内容

(平成二十九年三月三十一日告示)現在の保育所保育指針(本文)の中でも、今の保育士配置基準では極めて困難だと思われる部分を挙げてみますと、

 

2 養護に関する基本的事項

(1) 養護の理念

保育における養護とは、子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士等が行う援助や関わりであり、保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性とするものである。保育所における保育全体を通じて、養護に関するねらい及び内容を踏まえた保育が展開されなければならない。

 

とありまして、

(2) 養護に関わるねらい及び内容

ア 生命の保持

(ア) ねらい

① 一人一人の子どもが、快適に生活できるようにする。

② 一人一人の子どもが、健康で安全に過ごせるようにする。

③ 一人一人の子どもの生理的欲求が、十分に満たされるようにする。

④ 一人一人の子どもの健康増進が、積極的に図られるようにする。

(イ) 内容

① 一人一人の子どもの平常の健康状態や発育及び発達状態を的確に把握し、異常を感じる場合は、速やかに適切に対応する。

② 家庭との連携を密にし、嘱託医等との連携を図りながら、子どもの疾病や事故防止に関する認識を深め、保健的で安全な保育環境の維持及び向上に努める。

③ 清潔で安全な環境を整え、適切な援助や応答的な関わりを通して子どもの生理的欲求を満たしていく。また、家庭と協力しながら、子どもの発達過程等に応じた適切な生活のリズムがつくられていくようにする。

④ 子どもの発達過程等に応じて、適度な運動と休息を取ることができるようにする。また、食事、排せつ、衣類の着脱、身の回りを清潔にすることなどについて、子どもが意欲的に生活できるよう適切に援助する。

イ 情緒の安定

(ア) ねらい

① 一人一人の子どもが、安定感をもって過ごせるようにする。

② 一人一人の子どもが、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。

③ 一人一人の子どもが、周囲から主体として受け止められ、主体として育ち、自分を肯定する気持ちが育まれていくようにする。

④ 一人一人の子どもがくつろいで共に過ごし、心身の疲れが癒されるようにする。

(イ) 内容

① 一人一人の子どもの置かれている状態や発達過程などを的確に把握し、子どもの欲求を適切に満たしながら、応答的な触れ合いや言葉がけを行う。

② 一人一人の子どもの気持ちを受容し、共感しながら、子どもとの継続的な信頼関係を築いていく。

③ 保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や探索意欲などを高めるとともに、自分への自信をもつことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける。

④ 一人一人の子どもの生活のリズム、発達過程、保育時間などに応じて、活動内容のバランスや調和を図りながら、適切な食事や休息が取れるようにする。

とあります。

 

どれも養護についての高い理想を示しているものだと思いますが、一人一人の子どもがという言葉が、13回も出てきます。

幼児期は個人差やタイプの違いがありますよ!個々の主体性も尊重しないといけないですよ!と言いたいのでしょうが、とても大事なことではありますが、個別性を強調すればするほど保育が困難になっていまします。

何しろ国の配置基準はワンオペですので。

保育の継続性についても触れていますが、保育士が相次いで離脱をし、新しい保育士が入れ代わり立ち代わり保育をするということになっている現状があります(特に民間ですが、、)。

これで今の配置基準でも出来ると言われる保育士の方がもしいらっしゃったら、皆さんにもご紹介して、ぜひ保育の向上に役立てたいと思います。

 

他にも、保育の準備や次につなげるための事務的な仕事、そして子育て支援や個々の資質の向上などの重要性についても書かれています。

どれも大切なことだと思いますが、残念ながら勤務時間は限られていて、それをほぼ直接保育の時間に当てている現状で、どのようにすれば勤務時間内に収まるのかも、指針を具体的に示して頂けたらと思ったりします。(保育士もロボットではないので、休息や休暇も必要ですし、、)

 

〈参考:保育士に休憩が無いのは当たり前?!〉

【保育所の課題】保育士に休憩は無いのは当たり前?!保育士の人権問題とは?!
保育士の待遇から、保育士の労働環境と人権について、考えてみました。保育士は働きながら保育のスキルを上げていける環境にあるのか。

 

 

現場保育士の率直な気持ち

そこで、Xを使って、簡単なアンケートを実施しました。

 

質問 保育所保育士の方にお聞きします。今の保育士配置基準で、保育所保育指針の内容を実践出来ると思いますか? 
  • 思う
    3.8%
  • 思わない
    90.7%
  • どちらでもないorわからない
    5.5%
182票最終結果
4,435

件の表示

というような結果になりました。

結果はとても深刻なものになりました。

想像はしていましたが、、

とても実現出来ない理想に向かって、一保育士はひたすら頑張っているということになります。

それは、一保育士が自己犠牲をすることになったり、無理をし過ぎて体を壊す原因にもなりますでしょうし、あるいはそんな理想と現実のギャップについていけない保育士が一定の割合で居ても不思議ではないでしょうね。

一保育士の負担の重さが、不適切な保育に繋がっているとうのは、以前から言われていることですし。

 

このような状況は、結局は子どもにとって大きな不利益になっているのではないでしょうか。

 

〈参考:なぜ保育士は不適切な保育をするのか〉

【保育のニュース】保育士はなぜ不適切な保育をしてしまうのか?!
度々ニュースになります、不適切な保育。その原因を私なりに考えてみました。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

 

次の保育所保育指針は、文科省と合同で作成されるようです。

それは、幼稚園教育要領と統合されるというよりもまだ、統一感を出すという段階なのでしょう。

でも、幼保一元化の流れは変わらないのではないでしょうか。

私の個人的な意見では、そこに発達や保育の専門家、官僚などだけではなく、

保育士の人権を守る専門家や法律の専門家も入れて欲しいなと思ったりします。

一保育士に、過度に要求され過ぎないように。

 

いずれにしても、子どものために継続性を踏まえた、保育士が健康で意欲的に保育が続けられる、実践可能な保育の指針を示して頂けたらと切に願うばかりです。

 

〈参考:子ども視点の保育所の理想の保育体制とは?!〉

【保育所の課題】子ども視点の保育所の理想の体制とは?
子どもの発達の視点から保育所の理想の体制を考えました。保育相談専門員や発達特性専門の職員が居ると理想的です。

 


最後まで、保育所保育指針と保育士配置基準の整合性はある?!をお読みいただき、ありがとうございました。

もし、ご意見ご感想などございましたらコメントで頂けますと、嬉しい限りです!

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