保育士のために

【保育のねらい(特別支援)】障がいのある人が居ない社会は本当にいい社会なのか?

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ハンディキャップ 保育士のために

『障害のある人は居ない方がいい!』というつぶやきに対して、

 

多くの人が共感をし、いいね!を押したりする現実があったりします。

 

過去には相模原で起きた、凄惨な事件もありましたが、あのようなことは特殊な思想を持った人間が起こしたことなのでしょうか?

 

 

子どもの頃から『大切な何か』を教えてもらわず、大人になっているように感じるのですが、、

 

では、障害のある人が居ない方が、社会全体にとって本当に良いことなのかを私なりに考えてみたいと思います!

 

もし後天的に障害のある人になったら

もし、仮に障害のある人が世の中から居なくなり、健常と言われる人のみになったとします。

 

でも、人は病気にもなりますし、事故にあったり怪我もします。

 

あと、歳を取ると老化によってほとんどの人が障害のある人になります。

 

参考:障害のある人の数

2018年障害のある人:割合7,4%   人数936,6万人                身体障害者手帳取得者数: 65歳以上 72,6パーセント

 

 

生まれてきた後に、もし障害のある人になった場合、障害のある人が居ない方がいい!と考える人は、どうしたらいいと考えているのでしょうか?

 

それに最終的にはご自分も障害がある状態になる可能性が高いですが、それはどうお考えなのでしょうか?

 

障害のある人が社会に存在することの意味

人は生きていると、何が起きるかわかりません。

 

病気や事故など様々なアクシデントに遭う可能性があります。

 

生きている途中でも、後々でも誰もが障害のある人になる可能性があるということは、今、障害のある人が住みよい社会は、全ての人にとって有益だということになります。

 

私が考える、世の中に障害のある人が居ることのメリットはいろいろありますが、

 

・後天的に障害のある状態になった人が、今までと変わらず自然に生きていける
・健常と言われる人でも、何かしら弱点や苦手なことを持っているもので、その弱点に対する支援手段がある(実行されるかは別ですが)ということになる
・言葉などわかりやすく相手に何かを伝えるのが難しい場合、周囲の健常と言われる人が相手の気持ちを想像する機会をもてる
・相手の気持ちを想像した上で、必要な行動をする機会になる
・相手の気持ちを尊重する重要さを実感する
・健常者ばかりの社会よりも穏やかな社会になっていると思われる(想像です)
・人一人の力なんて本当に小さなもので、何かあったら助け合うことが人として生きていく上で当たり前で自然なことだと気づかせてくれる

などが考えられます。

 

まだ他にもあるかもしれません。あればコメントで頂けたらとても嬉しいです!

 

健常者ばかりだと、明確にハッキリと優劣が決まってしまい、嫉妬や妬みなどが生まれ、もっとギスギスした人間関係になると思われます。

 

健常と言われている人でも、何かしら弱点や不得意なことを抱えているもので、それが不完全で悪いこと!と強調されることにもなるのではないでしょうか。

 

そんな社会は誰にとっても息苦しいですよね!

 

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障害のある人の存在は、そもそも人間とは何かとか、人間として生まれてきた意味を思い起こさせてくれます!

 

支援者として学んだこと

私は療育センターや入所施設などでたくさんの障害のある子どもの支援をしてきましたが、

 

『どうやったらわかってもらえるだろう』
『何をしたら楽しく感じるだろう』
『何に困っていて、どうやったら生きやすくなるだろう』

 

と子どもの気持ちをあれこれ様々に想像する癖がつき、今の保育者としての自分が作られました。

 

障害のある子どもたちのおかげです!

 

私は支援者として、多くの学びや喜びを障害のある子ども達から頂きました。

 

もしそれが無かったら、今よりももっと子どもの心理や背景に気付くことが難しい保育者だったと思っています。

〈子どもの発達と発達特性の違い〉

【保育のねらい(発達凸凹)】子どもの定型的な発達と発達凸凹の違いとは?
新人保育士の方のために、子どもの定型的な発達と発達凸凹の違いについて簡単に書きました。

 

 

保護者の方にはとても感謝されることもありますが、逆に私がとても感謝しています!

 

支援者としましては、障害のある子どもが何かが出来るようになって嬉しい!保護者と一緒に喜べる!!ということもありますが、

 

それと合わせて、

 

自分らしく居られる大切さ
相手の気持ちや主体性を尊重する大切さ
人間らしい感情の素直な表出の大切さ
何気ないことに幸せを見つけられるようになる
精一杯すればそれでいい!
結果や周囲との差や違いは気にしないでいい! むしろそれを認めることが大切

 

などに気付かせてくれました。他にもあるかもしれません☺

 

自分らしく居られることや相手を尊重する大切さ、人間らしく喜怒哀楽を出すことや何気ない日常の貴重さ、他の誰でもない自分であることの価値を教えてもらました☺

 

視覚障害のある方とも一緒にお仕事をさせて頂く機会もありましたが、障害のある人のそばにいると、

 

普段得ることの出来ない、多くの事を与えてくれます!

 

障害のある人やそのご家族や親戚の方は、日々の生活に私達には想像できないくらいの大変さ

があるといわれています。

 

療育センターの送迎バスの中でのお話や、保護者同士の集まりにお邪魔して色んなご苦労や想い、喜びも教えて頂きましたし、それは支援者としてだけじゃなく、人としても成長させていただいたと思っています。

 

そのような機会も私にとってはとても貴重な時間でした。

 

 

障害受容とは

障害者福祉を考える上で、とても大切な視点が障害受容です。

 

障害受容というのは、

 

障害があってもそれをそのまま受け入れ、認め、障害がない方が良かったとは考えない、人としての価値は変わらない

 

という見方です。

 

このことに関しての私なりの考え方は、、

 

支援者としては、障害受容をしないといけないと思っています。支援する相手の方が『障害が無かったら良かったのに、、』と考えるのでは、支援する相手のことを一人の人間として見ていないということになってしまいます。

 

ですので、支援者としていい支援をするためにも、不完全ではない一人の人間として、尊重し向き合い、相手の方を見て『何を考え、何を望んでいるのか』を想像しながら支援するということが、とても大切だと思っています。

 

そして同じ視点から、社会も行政もそうあるべきなんでしょう。

 

ただ、当事者の方やご家族の方は違います。

 

 

障害受容には様々なレベルがありますし、ずっと受容出来ないこともありえるということを周囲の人は認めないといけないと思っています。

 

支援者として保護者の方と話していても『障害受容についてどのようなお考えなんだろう』と直接は聞かないまでも、それを感じながら支援するということは大切なことだと思っています。

 

とても明るく、ポジティブに見える保護者の方でも、本音は違う可能性があります。

 

 

支援者として保護者の方と関係性が築かれますと、本音を話してもらえるようになることが多いです。そういう関係性を目指しながら『出来ることは何か、必要なことは何か』を考えて支援することが大切です。

 

また、障害のあるご家族の支援は支援者目線ではほとんど上手くいきませんし、逆に不信感を招く可能性もあります!

 

このことは支援者としての基本をより明確に自覚させられます。

 

保育でも同じです。支援者目線では上手くいきませんし、子どもや保護者のニーズとはかけ離れたものになってしまう可能性があります。

 

障害のある子どもをお持ちのご家族は、それぞれに思いがありますし、ご家庭ごとに違いもありますし、状況や環境も違います。それを支援者としてしっかりと自覚することが重要です。

 

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障害の害の字の持つ意味

たびたび『障害』の害という字が問題になることがあります。

 

今回のブログも、タイトルはひらがなにさせて頂きました。

 

私は問題の本質は字ではないと思っていますが、害という字を使うことで、いじめや差別を受ける子どもや大人が居ますので、すぐにでも使わないようにする必要があると思っています。

 

同時に本質の問題を伝えることが大事だと思っています。

 

まず、私はあくまでも『障害のある』という言い方をしていますが『障害を持つ』ではないのです!

 

障害はその方の全部や一部を指すものではなく、何かをしようとした時に、何かが邪魔になる、それが障害です!

 

例えば、

移動しようとした時、会話しようとした時、仕事をしようとした時、旅行に行こうとした時などなど、何かをしようとした時に手段や人の手などのサポートがなく、足りない能力を補うことが叶わないことが障害です!

 

ですので、障害は誰の周りにもあります!

 

ですので、障害がわかりにくいようでしたら、英語のハンディキャップという言葉がしっくりくるかもしれません。

 

ゴルフでもボーリングでも、ハンデをつけることで相手と対等に試合が成立します。

 

エレベーターやスロープ、車いすなども無いとそれが障害になる可能性があります。

 

何かしら足りない部分の差を埋める策を講じることで、成立するようになる、それが障害をなくすということです!

 

ですので、障害は障害のある人の周りにあるのです。障害を持つではなくて障害があるという言葉を使うのはそういう意味があります。

 

なので、『障害』は究極的には無くすことが可能です!

 

このような意味から、本来『害』という字を使うのが正しいと思っています。

 

むしろ、そういう背景を教育で伝え教えることが、問題の本質とも言えるのではないでしょうか。

 

人間教育に

障害のある子どもとの関わりは、私を成長させてくれたと書きましたが、それを特定の障害者福祉の支援者だけの利益にするのはもったいないです😓

 

もっと視覚的に見えるところで障害のある方が生活出来るように、自然に当たり前に存在出来るようにはどうすればいいのでしょうか?

 

国連からも障害者福祉の施設養護と人権侵害について指摘がされていますが、もっと子どもの頃から当たり前に存在し、社会の中でも活躍出来るようにしなければいけないのではないでしょうか。

〈国連勧告 障害者権利条約〉

障害者権利条約 国連勧告で問われる日本の障害者施策 - 記事 | NHK ハートネット
障害のある人の人権や自由を守ることを定めた「障害者権利条約」。日本は2014年に条約を批准し、政府がどのような取り組みをしてきたのか、国連の権利委員会による初めての審査が今年(2022年)8月に行われました。障害のある人たちが社会で安心して...

 

 

 

子どもの頃から障害のある子どもとふれあい、交流する経験を積むことで、存在するけど何となく目を背けたり、居ないと仮定するみたいな意識を変えることが出来るかもしれません。

 

保育所や幼稚園では発達障害のある子どものための加配制度がありますが、もっと有効に適切な形で体制を強化して、統合出来るといいと思います。

 

幼児期はまだ明確な幼児教育をするというよりも、生活や遊びを中心に全体的に総合的に経験を積む時期ですので、障害のある子どもと一緒に経験を積むことが比較的しやすい時期とも考えられます。

 

また、保育所や児童発達支援センターとの交流ももっと進めてもいいかもしれません。

 

幼いころから当たり前に障害のある状態の人が身近にいることで、相手の意思や考え、気持ちを自然に想像して、主体性を尊重する機会を作ることが出来るのではないでしょうか。

 

そのような経験は、自分らしさとは何か?生きるとは何か?人間とは?他者と共存共生することとは?などを内発的に考えさせられ、人として成長させてくれると思います☺

 

障害のある人が住みよい社会

支援者として多くの障害のある子どもたちや保護者の方から教わったことから出した結論は、、

 

障害のある人とそのご家族が、より住みよい社会を実現することこそが、

 

みんなにとって住みよい社会になる!ということです☺

 

みんな違っていていい!それをお互いに認めること!

 

誰にも誰かに迷惑をかけている可能性はあります!

 

そして、今後誰の助けを借りないとも限りませんし、誰にも迷惑をかけないとも限りません!

 

そのような余裕のある社会はみんなにとっても保険になり、安心材料になります。

 

そう考えますと、障害のある人と健常と言われる人の関係は、持ちつ持たれつの対等な関係性です。

 

障害のある人が生き生きと生活できる社会が実現出来たら、みんなにとっての利益になる!

 

そう思っています。

 

 

〈子どもが困らない世界 発達の特徴や偏りのある子どもの支援方法集 ここま〉

子どもの支援方法 | ここま(子どもが困らない世界)
子どもが困らない世界を広げるためのサイトここまです! 子どもの支援方法を集めています! 子どもの支援者一人一人の手が頼りです!! 子どもがより活き活きとした子ども時代を過ごせるために。

 

 

ここまで【保育のねらい(特別支援)】障がいのある人は居ない方がいいのか?、をお読みいただき、誠にありがとうございました!

ご意見ご感想などございましたら、コメントで頂けますととても嬉しいです☺

 

 

 

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