これまで、2歳児前半の認知、運動の発達から考えられる、保育の内容を考えてきました。
【保育のねらい(2歳児前半①)】2歳児前半の主な発達から考える保育の内容とは?
2歳児前半の発達の主な姿から保育の内容を考えてみました。
【保育のねらい(2歳児前半②)】2歳児前半の認知の発達から考える保育の内容とは?
2歳児の認知の発達から保育の内容を私なりに考えてみました。
【保育のねらい(2歳児前半③)】2歳児前半の運動の発達から考える保育の内容とは?
2歳児前半の運動の発達から、保育の内容を考えました。
今回は、2歳児前半最後の社会性の発達から考える保育の内容です。
2歳前半の社会性って、どんなイメージを持っていますでしょうか?
2歳前半の子どもは、自分の感情や意見を表現するようになりますが、まだ他人の気持ちや視点を理解することは難しかったり、、😓
では、まず2歳児前半の社会性の発達を確認してみましょう!
社会性の発達の姿
2歳児前半に見られます、社会性の姿としましては、、
食事を自分で食べようとする。 排せつは出る直前に知らせる。 体を洗ってもらう際に、自分でも少しこする。 衣服は脱ぐだけではなく、助けは必要だが、それ以外の手足の動きもしようとする。
『こんにちは』『さようなら』『おやすみなさい』『いただきます』『ごちそうさま』ができる。
『手を洗ったらおやつだよ』など~してからなどと言われて、今とあと、の2つの関係がわかる。 手つだいが好きになる。
配分においては、自分のを最大量、他のを最小にする。 自分のほしいものが他にあると、強く要求する。好きな人やキャラクターの名前を言い、それになったつもりで、不安を乗り越えようとする。
音楽性が発達し、歌や絵本の読み聞かせを好み、テレビや動画を面白がるようになる。
描いたり作ったり表現したものに、意味づけをし始める。
自分の名前を入れて話をし、自分の名前を言って要求する。 『ちょうだい』『もう一つ』『あっち』『もうすぐ』などという。 『ここは』『もう一回』『また』『それだけ』などの、対応や対比のための、指示語を使った要求や、指示のための対話が芽生える。 語の活用が始まるとともに、動詞を使った2語文を話し、使える言葉が増える。 意味がわからない言い回しが減る。
などがあげられます。
一番は、対応や対比、指示のための対話が増えるという部分でしょうか。
2歳児前半も、モデルとなる大人とおもちゃなどでやり取りをして遊ぶことが、社会性の発達のためにとても大切な時期に思えますね☺
それでは、それぞれの社会性の発達の姿から、どのような保育の内容が考えられますでしょうか?
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考えられる保育の内容
まず一つ目の、食事を自分で食べようとする。 排せつは出る直前に知らせる。 体を洗ってもらう際に、自分でも少しこする。 衣服は脱ぐだけではなく、助けは必要だが、それ以外の手足の動きもしようとする、という発達に対しての保育の内容ですが、、
道具を使え始めますので、少しずつスプーンを使って自分で食べられるようになっていきます。スプーンは握り持ちか、指先での持ち方が多いです。自分で食べようとする反面、食事も好き嫌いが出てきたりします。排せつは、出る前に知らせられるように、出そうなタイミングで聞くといいと思います。体も自分で洗おうとしたり、衣服の着脱も自分でやろうとしますので、無理せず褒めたり励ましたりして、支えながら、その主体性や意欲を育てられるようにすることがとても大切です。
次に『こんにちは』『さようなら』『おやすみなさい』『いただきます』『ごちそうさま』ができる、という発達からの保育の内容ですが、、
まずは大人から、見本を示すことが大切です。先生同士や保護者の方との普段からのあいさつは、とても重要です。そして、お集まりなどで、パペットや人形とあいさつをしたり、あいさつが出てくる絵本を選んだりが、考えられます。外出先で、知り合いに会った際に、あいさつが出来ない子どもが居ますが、信頼関係や安心できる場所では無かったりして、環境も影響しますので、『あいさつしなさい!』と無理に要求せず、『あいさつしたい気持ちはあるんですけど』と相手に伝え、保護者の方が代わりにあいさつをするといいと思います。大人が見本を見せることが、先に繋がっていきます。
次に、『手を洗ったらおやつだよ』など~してからなどと言われて、今と次の2つの関係がわかる。手つだいが好きになる、という発達に対しての保育の内容ですが、、
今と次がわかることによって、自分の世界が広がります。物事の因果関係や時間の感覚がわかり始めるということです。ですので、積極的に『次は~だよ』とか『今、何してるの?』『次は何したい?』などと聞くようにすることで、目的意識や意味を持たせてあげることが出来ます。大人の真似をして、手伝いたい気持ちが出てきますので、それが叶うように、出来そうな部分を用意して、一部だけでも子どもに任せることで、意欲や自信を育てることが出来ます。
次に、配分においては、自分のを最大量、他のを最小にする。 自分のほしいものが他にあると、強く要求する。好きな人やキャラクターの名前を言い、それになったつもりで、不安を乗り越えようとする、という発達の姿に対する、保育の内容ですが、、
数の概念の基礎になる、多い、少ないの意味を理解したり、見た目などを頼りに、配分をしようとします。積み木やままごとなどで、配分の場面を作り、それに対して、どのような方法や視点で配分していくのか、その過程をみます。自分のものを多くするというのは、他者の視点は難しいけど、量を理解するようになる、ということでもあります。
身近な人や物になったつもりで遊べるようにしたいです。例えば、お母さんやお父さん、お医者さんやお店屋さん、動物や乗り物などになりきって、その役割に合わせた言葉やしぐさが、出来るように設定します。2歳児のなりきりは、想像力や記憶力、観察力も養われ、子どもの発達にとって大切な意味があります。また、言葉や表現力を豊かにします。自分の感情や欲求を表現することで、自己肯定感や自信も高まります。さらに、社会性やコミュニケーション能力を身につけます。なりきる対象の立場や役割を理解したりします。2歳児のなりきりは、子どもが楽しみながら成長するための、重要な遊びです。保育士の皆さんは、子どもの興味や好みに合わせて、さまざまなものになりきって、一緒に遊びましょう。
次に、音楽性が発達し、歌や絵本の読み聞かせを好み、テレビや動画を面白がるようになる、という発達に対する、保育の内容ですが、、
2歳前半は、まだ言葉が十分に発達していない時期ですが、音楽に対する感受性はとても高いです。音楽は言葉よりも先に子どもの心に届くと言われています。まず、2歳児前半の子どもは、自分の声を発見したり、模倣したりすることに興味があります。自分の声で遊ぶことは、音感や発声の基礎を育むことにもつながります。ですから、大人と一緒に歌うことはとても有効です。歌うときは、子どものペースに合わせて、ゆっくりと明瞭に歌ってあげましょう。また、歌詞が簡単で、リズムが明確な歌を選ぶと良いです。童謡や、今の時代なら、ティックトックのショート動画も、子どもの好きなものを見つけることが出来ると思います。ただし、音量やテンポが激しすぎる音楽は避けましょう。また、音楽を聴くときは、大人が一緒に聴いてあげて、感想を言ったり、身振り手振りをしたりすると、楽しくて良いです。また、2歳児前半は、絵本を読んでもらうことが大好きです。絵本は言葉や物語だけでなく、色や形などの視覚的要素も含まれています。絵本を読むことは、子どもの語彙や表現力を育むことにも、とても役立ちます。絵本を選ぶときは、個々の子どもが興味を持ちそうな、テーマやキャラクターのものを選ぶと良いです。
次に、描いたり作ったり表現したものに、意味づけをし始める、という発達からの保育の内容ですが、、
絵や造形の発達段階としては、殴り書きから、手の動きを目で追えるようになる時期です。点や線、半円やグルグルなど、様々な線が描けるようになります。また、閉じたマルが描けるようになる子どももいます。この時期は何かを表現しているわけではなく、どちらかというと、手の運動をしている意味合いが、強かったりします。しかし、それはとても大切なことです。手の動きがスムーズになることで、目と手の協調や空間認識が発達します。また、自分で感じて、考えて、楽しむという行為が、想像力や創造力を育みます。クレヨンや絵の具、粘土や紙など、様々な素材を用意しましょう。子どもが描いたり作ったりしたものに、後から意味づけをすることも大切です。「これはママだよ」「これはブーブーだね」というように、子どもとやり取りをすることが、意欲やコミュニケーション能力を高めることにつながります。上手く描くことや作ることよりも、描いたり作ったりすること自体を、楽しむことが大切です。楽しんで描いたり作ったりすることが、自信や主体的に表現する力に繋がっていきます。
次に、自分の名前を入れて話をし、自分の名前を言って要求する。 『ちょうだい』『もう一つ』『あっち』『もうすぐ』などという。 『ここは』『もう一回』『また』『それだけ』などの、対応や対比のための、指示語を使った要求や、指示のための対話が芽生える。 語の活用が始まるとともに、動詞を使った2語文を話し、使える言葉が増える。 意味がわからない言い回しが減る、などについての発達から考えられる、保育の内容としましては、、
2歳児前半は、「これ」「それ」「あれ」などの指示語を使い始めます。指示語は、自分や相手の位置や距離によって変わる言葉です。例えば、「これ」は自分の近くにあるものを指し、「それ」は相手の近くにあるものを指します。指示語を使うことで、子どもは自分と他者の視点を区別し、コミュニケーションの基礎を築きます。おままごとや人形遊びなどで、子どもに「これを持ってきて」「それを食べて」「ちょうだい」「もう1回(一つ)」などと指示してみたり、子どもが正しく反応したら、「そうだね」「上手だね」とほめることで、正しい意味づけをしていくことが出来ます。抱きしめることを”ぎゅう”と真似て言ったり、大きい小さい、赤など、色の名前を言ったりします。間違ったり言葉足らずになることがありますが、指摘したり言い直したりはせず、話して楽しかった、よかったという気持ちが大切です。もし、言葉足らずだったりしたら、大人がさりげなく正しい言葉で返すことで、気づくきっかけにしていくことが出来ます。指示語や2語文を使った遊びは、子どもの言葉の発達だけでなく、情緒や社会性、コミュニケーション能力を高めるために大切ですので、子どもとのやり取りを一緒に楽しむようにしましょう。
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まとめ
いかがだったでしょうか?
2歳前半の社会性の発達の姿は、大人とのやり取りの中で育まれる力がとても大きいです。
大人を真似ようとしたり、指示語で伝えようとしたり、また自由に描いたり作ったりして表現し、それを大人に評価してもらうことで、自信や意欲にしていきます。
今後の社会性の発達に繋げるためには、2歳児前半では子どもと共に楽しむという視点がとても重要です。
今回で、4回に渡りました、2歳前半の発達から保育の内容を考えるは終了です。
また、別の時期の発達の姿からの保育の内容も考えようと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします☺
ここまで、【保育のねらい(2歳児前半④)】2歳児前半の社会性の発達から考える保育の内容、をお読みいただき、誠にありがとうございました☺
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